一生経験する予定のなかった出来事と新ギプスの欠点
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自分の人生では絶対に起こりえない、というか、自分と結びつけて考えてみたこともないことが起きることがあります。
私にとって「骨折」がその一つ。
この投稿は、骨折ってこんな感じ&ギプスってこんなに進化しているよ!ということを紹介した、かなり古いブログ記事です。
ちなみに、ギプスはここからさらに進化してます。
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あれは、忘れもしない、ある冬の朝の出勤時。
私が歩いてると、その先輩は私に気づかず、あっさり抜き去っていったのです。彼の背中を見ながら、「Fさん」と声を掛けようとしたのが大間違い。こっちも無視すればよかったのに。
私は地面にうっすらと張り付いたたかだか15センチ四方の小さな氷面で、見事に天地をひっくり返したのでした。
片手に傘、片手に荷物。舞い上がる自分の足が見えました。着地は左のひじから。
一瞬とて全体重を受けたひじは、あわれ、悲鳴を上げて、ぐったりと。私本体も、気づくと地面に寝てました。
それから、ドクドクと襲ってくる鈍いだるさ。痛いの?と訊かれても、「痛くはないけど…」と答えるような。だんだんと何も感じなくなってきて、でも、何か完全に違うものが腕に取り付けられたような、体がねじれるような言いようのない違和感。
一応、レントゲン撮っといで。という、同僚たちの意見に従い、すぐ隣接する整形外科へ。
転んで尾てい骨のレントゲンを撮ったとおぼしき若い女性が、「あられもない格好させられちゃったよぉ~」なんて、付添いの友だちに言ってるのを聞いて、ついつい想像するくらい、その時はまだ余裕があった。
・・はずなのに、自分が呼ばれてレントゲン室へ行くべく立ち上がると、さっきまでの違和感は、腕を逆の手で支えなくてはならないほどの激痛に変わったのだった。レントゲン撮影の姿勢を作るだけで痛くて、自然に涙がポロポロ。
写真では、ひじの角の骨が三角に小さく折れて、孤立してるように見える。たったこれだけで、この痛さ?って感じ。
なにより、自分は一生骨折とは縁のない人生を送る予定だったので、何かの間違いじゃないかと。
石膏で冷やし固めて(?)、いよいよギプスをつける日。
「これは、高いけど軽いギプス。こっちは伝統的な、安いけど重いギプス。どっちにする?」と先生。
当然、軽い方だ。何万円も違うわけじゃなし。
それが、多くの同僚、友だちにあらぬ誤解を与え、すっかりイヤになっちゃうことになろうとは、知る由もなく。
つまり、その高価なギプスは、特殊な樹脂か何かを使った新兵器らしく、使用前はジャバジャバの液体、使用後はカチカチに固まるというスグレモノだった。のは、いいんだけど、固まると、いい具合に黄色く変化したもんだから、さあ、大変。
やれ、古い人形みたい。やれ、使い古して黄ばんだみたい。言われる言われる…。
何でそんなに汚しちゃったの?先は長いんだし、もっときれいに保ちなさいよ、などと言いつつ、その(古くて汚い)ギプスで触ってくれるなという雰囲気とか。
果ては、「どしたの?それ」と笑う人まで。
これは最初からこういう色なんだってば!
もう!疲れる! 確かに、腕を吊ってる真っ白な三角巾とのコントラストが大きいだけに、目立つけど!
腕に視線を向けられると、この人もギプスが古いとか汚れてるとか思って見てるのかと勘ぐってしまう。
ただでさえ、生活自体が不自由でしんどいうえ、仕事は減らしてもらえないし、年末で宴会は続くしで、めげていた私には、そんなささいなこともけっこうストレスだった。
先生、今度から、あのギプスは、軽いけど色が悪いので女の子にはおすすめできないって言ってください!!
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