えび天かっっ!〜指切り(3)
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私には、何度もお世話になってる整形外科があり、そこのとぼけた先生が大好きでした。いや、好きってのは、おもしろキャラとして、です。久しぶりにこの整形に行けてよかった……って話じゃなくて、しつこいようですが、深い目の切り傷は、ホントすぐに病院に行った方がいい!!(2004年の記事の加筆修正版)
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外科の先生に、1日置きにキズを見せに来てと言われたけど、会社員の私には無理。それで、会社の近所の外科を探したけど、やっぱりこれが、ないのです。確かに開業じゃあ、儲からなさそうな「科」だし。
あちこち問い合わせ、やっとこさ、すぐ近くの過去に何度か通院歴のある整形外科が診てくれるとわかり、行ってきました。
周りは、誰が見てもただならない事態を経てそこに来ているとわかる、派手な(?)風情の患者がいっぱい。松葉杖など当たり前で、中にはミイラかと思うような方も。
「ねぇねぇ、いったい何があったの?」と訊きたくなる、不謹慎な衝動を抑えつつ、待つこと30分。
先生は、キズにじかに貼られた最後の絆創膏ははがさずに、その上から消毒薬をべしょべしょとつける。
あ”ー! 痛~い。
「あ、痛いの?これがしみなくなったら、治ったっていうことだからね」。
それくらい、私でもわかりますってば。 そういえば、この先生のこういうところが好きだったんだわ、と思い出す私。
しかし。
そのあとの新人らしい看護師さんがいただけない。消毒した患部に、思いっきり床に落として転がした絆創膏を貼ろうとするなんて。
幸い、先生は、それは使わないよ、と、細かくシャーリングになってるベージュ色の新兵器を取り出した。で、それを巻いてくれたのはいいけど、何重にも巻きすぎて、私の親指は、マギー審司の小道具かと思われるような極太えび天状態。
思わず、「これ、すご過ぎですよね」とつぶやくと、「白いもので巻くよりずっと目立たないと思うよ」と、やさしく答える先生。
たぶん、十分に目立ってると思います。
っていうか、濡らさないでって言われても、これじゃあ、ゴム手袋とかできないし。関節が固まるから、痛くない範囲で指を動かしてねって言われても、これじゃあ、全然曲げられないし。
それにしても…と思う。
もしかして、切り傷なんかで整形外科に乗り込んだんで、先生にからかわれたんだろうか? 待合室で、包帯グルグル巻きで松葉杖で歩く人たちと自分の極太えび天指を見比べながら、一人いぶかる私。やっぱ、整形はこれくらいしないと、整形の名が廃るってこと??
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