第14話
私は、この試験勉強で、ナツに見直しもらうんだ!
まだ、園田さんは付き合い始めただけ。
婚約まで行ってしまうと、何も出来ないけど、今ならまだ巻き返せる!
それに、付き合いの長さなら、私の方が長い。
だから、ナツのことなら一番私がわかっている。
絶対に振り向かせて見せる。
ナツの家に上がり、とりあえずリビングに全員向かった。
私は、いつも通りキッチに向かうが、一緒にキッチンにたどり着いた人がいた。
「早乙女さん、ここは彼女の私がお茶を入れます!」
キラキラした輝いた瞳で、私を見るのは園田さんである。
だが、彼女の手にあるのは、レモングラスである。
乾燥させて細かくしてあるから、ハーブティーにはできるけど、彼女ニュアンスからして紅茶と勘違いしてる。
それに、ハーブティーならそれ単体では飲めなくもないが、、、あまりお勧めしない。
それに、ナツはあまりハーブティーが好きではない。
「あの、それ、レモングラスだから。紅茶じゃないよ」
園田さんは、顔を真っ赤にし蹲ってしまった。
そりゃあ、私だってそんな事したら恥ずかしい。穴があったら入りたいほどだ。
いくら、恋敵でも、これは可哀想だ。
「私と一緒に入れない?ナツの好きな紅茶教えてあげるから」
「良いんです?」
瞳に涙を浮かべ、こちらを見上げる園田さん。
うん。これは、私も男子だったらイチコロだ。
というより、ずるいでしょ!何この愛玩動物感!守ってあげたい!
でも、彼女は恋敵。彼女は恋敵。彼女は恋敵。
よし、大丈夫。これで平常心。よし。
「ナツは、アッサムが一番好き。色々理由があるけど、ミルクティーにも合うし渋さもあまりないから気にってるっぽい。基本、お子ちゃま舌だし」
「そうなんですか?いつも、凛々しく見えますけど?」
「園田さんの前ではどうか知らないけど、私から見たら、ガキ背伸びして大人のフリしてるだけ」
「いいな。私にもそういう一面見せて欲しいです」
そういうけど、アイツ、親の前でも大人ぶるからな。
アイツの子供っぽい所を知ってるのって、私か母さんだけなんだよね。
母さんは、どうやって見抜いたのか知らないけど、私には、素の自分を見せてくれたから。
特別扱いされいたと思ったのに、まさかの横取りにされるとわ。
やっぱ、私に興味無いのかな?
ってネガティブになったら、負けでしょ!私!
大丈夫、私だってナツに好かれる為に自分を磨き続けたんだから。
勉強に運動、容姿やファッションに至るまで、すごい頑張ったんだから。
勉強では、常に三位以内をキープ。
体育では、どのスポーツもそれなりにこなせるよう、友達の力を借りて鍛えてきた。
容姿は、親譲りってのもあるけど、母さんに聞いた美容法とかも実践したんだから。
まあ、それで釣れたのは、名前も思え出せないクラスメイトや全く話したことの無い上級生だけだけど。
マジで、ナンパとか勘弁。
好きでも無い男に言い寄られるとか、吐き気がする。
どんどん心が沈んでいく。
「早乙女さん!ミルクティーってどうやって作るんですか⁉︎」
「へ?あ、あー、ミルクティーね。紅茶に普通にミルクを入れるだけ」
「へー、すごく簡単ですね」
まあ、ロイヤルミルクティーの方がナツは好きだけど、とりあえずこれでいいか。
「じゃ、さっさと作って持って行こ」
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