第9話
二人の少女達が、退室した後、二人のカップルは数度のキスを交わすと、それ以来無言になってしまった。
最も、百合は、資料としてそういう物を持っているが、前半で顔を真っ赤にし、キス以上の事を見る事が出来なかった。
そんな初心な二人は、それで満足した。
「夏巳くん、なんだか私とても幸せです」
「僕もですよ。百合さん」
「(ッポ)♡」
砂糖たっぷりな甘々な空間が、これよりたっぷり二時間程続きました。
♡♥︎♡♥︎♡♥︎♡♥︎♡♥︎♡♥︎
夏巳くんとの交際が始まって、早二週間。
百合は過去最高調の気分で、次回作を作りあげました。
あれから、週四回のペースで夏巳の家に泊まり、イチャイチャしながら、出来た作品。
これはもはや、二人の子と言っても過言ではありません!
「えへへへ♡」
ブッブッブ、ブッブッブ
メールの通知が入り、確認すると。
『クソつまらない』
と担当からの酷評でした。
嘘でしょ。私達のこの二週間をモチーフに、新規書き下ろしした短編集が、まさかの、、、ボツ。
「あわわわわわ、、、」
夏巳くんに、新作の取材だと言って、あんなにイチャイチャしたのに。
恥ずかしい事だっていっぱいやったのに、、、。
そこで、メールの続きがある事に気づき、読んでみると。
『ユリ先生の作風では無いですし、そもそもの話し、こんな小学生レベルの恋愛感しかお持ちでないユリ先生の事が心配です。
多分、彼氏さんが出来た事によって浮かれて、書いた物かもしれませんが、もう少し大人の恋愛感を身につけて出直して下さい。
貴方の担当編集より』
小学生レベル。
私の恋愛感ってそんなに幼稚なの?
たまに、夏巳くんがもどかしそうな表情をしてる時があったけど、それってそういう事なの!?
夏巳くんは、余りそういう事言わない子だったから、指摘されなかったのかな?
うぅっ。涙が出そう。
はぁー。こんなお子様な私が、夏巳くんみたいな素敵な子と付き合って良いのかな?
私なんて、なんの取り柄も無いし。
なんか、流れで付き合うようになった関係だし。
夏巳くんの気持ち、知りたいな、、、。
ピンポーン
チャイムの音で、現実に引き戻されました。
こうしては、いられません。
パチパチ。
頬を自分の手の平で打ち、気合いを入れました。
それより、誰でしょう?
玄関に向かい、ドアを開けたそこに立っていたのは、なんと、夏巳くんでした。
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