第3話

 *


 私、ペンネームユリこと園田そのだ 百合ゆりは、ただ今絶賛思考回路がショートしています!

 最後に記憶あるのは、夏巳なつみ君の幼馴染さんの作ってくださったケーキに微量にお酒が入っていることに気づき、これはマズイと思った瞬間からの記憶がありません!

 気づいたら、事後(誤解、のちに解ける)だったのですから!

 私達は、付き合い始めた初日(これも勘違いです)なのに、清い交際ではなく、ただならぬ関係になってしまいました。


「ああ、私はどうすればー!」


 私の心の声は、彼氏さんのシャワールーム内で響き渡っていました!


「ああ、これでは、夏巳君の顔をまともに見ることができません!恥ずかし過ぎて!」

「!?俺がどうかしましたか?」


 シャワールームの外から、彼氏さんの声が聞こえてきました。

 なんてハンサムさんな声なんでしょう!

 と言うより、どこまで聞こえてしまったんでしょうか!

 曇りガラスの向こうは、愛しの彼氏さんがいるんですね!

 しかも、記憶に無いとは言え、一度見せてしまったもの!お見苦しい限りですが、見せなくては、年上の彼女さんとしての私の立場が!

 私は、この時、頭が茹でダコさんになってしまっていたのです。どうが、痴女だと思わないで下さい。お願いします。

 私は、意を決してシャワーの水を止め、一糸まとわぬ姿で、彼氏さんの目の前に姿を現しました!


 *


 シャーと言う、シャワーの音で何も聞こえなかったけど、確かに俺の名前を呼んだような気がしたので廊下から、脱衣所に入ったんだけど、、、曇りガラス越しのユリ先生って、その、刺激的で直視できません!

 なので背中越しに、話し掛けることにしました。


「!?俺がどうかしましたか?」


 少し上ずった声が出てしまった。

 すると、シャワー音が止まり、曇りガラスのドアが勢いよく開いた。

 そこには、水滴で濡れたユリ先生の艶めかしい姿があった。そう、姿鼻の奥から鉄の匂いが溢れてきた。

 やばい、これは精神衛生上危険だと思い、急いでまた背を向けた。


「ど、どうしたんですか先生!き、着替えるのでしたら俺は、外に行きますんで」


 っといい終わる前に、背中に柔らかな弾力を感じた。先生の優しい抱擁だけど、下の事情としてはかなり凶暴だ!

 さっき一瞬だけ目に移ったあの上向きにツッンとした形大きなマシュマロ俺の背中に当たっているだと!?高校生の俺にはまだ、刺激が強過ぎる!


「もう、のですから、そんなに恥ずかしがらなくても大丈夫ですよ!?」


 一度って何!?俺、見たこと無いんだけど!

 むにゅむにゅと、背中で形を変えてるマシュマロに頭がクラクラしてきた。


「初体験は、記憶に残って無いので、すみませんもう一度!せめて、記憶に残るようもう一度して下さい!」

「ちょっと、先生大丈夫ですか!?やっぱり打ち所が悪かったのですか!?」

「いえ、違うです!私、微量なアルコールでも酔ってしまう体質でして、その、初めての夜が記憶にないっていうのは、その、問題じゃないですか!?」


 ん?初めての夜?まさか!?初めての夜=初夜なのでは!?


「先生、誤解です!俺達は、そんなことしてませんよ!」


 その瞬間、後ろからの抱擁がなくなり柔らかい感触も消え失せた、そして、ドサっと先生が倒れる音がした。

 誤解が解けたから、一緒に緊張まで解けてまた気絶したのかもしれない。

 先生、結構な初心なのに、想像力が豊か過ぎて、あらぬ方向にぶっ飛んでるな。

 でも、その、さっきとは違って何も来てない女性に触れるってのは流石に問題あるよな。

 これは、先生に起きてもらって、自分で着替えてらわないといけない。

 体の方は、見ないようにバスタオルをかけてっと、よし!これで、起こせる。


「先生、ユリ先生!目を覚まして下さい!」


 先生のを揺すって起こそうって思ったけど、なんか、その、柔らかく、あったかくて、目のやり場に凄く困る!

 早く起きてくれー!

 それから数分、願いが通じて先生は、起きてくれたが、もの凄い気恥ずかしい空気が流れいる。


「あの、凄く、大胆なことをしてしまい、すみません!私なんかに、触れらるのなんって嫌ですよね、、、」

「いっ、いや、その、先生にあんなことされて、役得っていうか、そんな感じなんで、全然嫌じゃないですよ!」


 って、俺は何を口走ってんだー!


「そう、なんですか?私なんかでも、夏巳君は、嬉しいんですか?」

「うっえ!?あっ、その、えーと、嬉しいです(小声)」

「そっ、そうですか」

「そっそれより、先生、その、いつまでもバスタオルってのは、いくら夏でも風邪を引くかもしれませんよ?」


 やっと、先生は、自分が今どんな格好をしているのかを思い出した見たいです。


「おっ、おみみみみみ、お見苦しいものをーーー!」


 そう言って、先生は突如逃げ出した。


「先生!?さっきの部屋着替えありますんで、それに着替えて下さいね!?」


 慌てて、声をかけたけど、ちゃんと聞こえているのかな?

 あっ、でも、ちゃんと部屋に入った音が聞こえたし、大丈夫なのかな?

 とりあえず、俺も自分の部屋に行こう。

 先生が寝てる間に俺は、シャワー浴びたし。

 それに、先生が使った後のシャワールームって、艶めかしい感じがして入り辛い。

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