第30話 最低の自分
俺とビアンカは、寮の俺の部屋に戻ってきていた。
『アラン!?私考えたんだけど…アランのジョブの特性ってもしかして…』
『うん…自分でも本当に認めたくないんだけど、女遊びをする為の前提のジョブだと思う…
何故俺にこんなジョブが与えられたか分からないが、勿論俺はそんなことをする気はない!
だけど、この世界ではジョブとはその人物の特性を基にランダムに選択肢が現れると言われているだろ?…だから、今まで誰にもこの事を話せなかったんだ。
特にビアンカには…
嫌われるんじゃないかと怖くて言えなかった。。』
『やっぱりそうなのね…アランにとって私のこと、遊びなんかじゃないわよね?』
『当たり前だろ!だから、ちゃんと婚約するまで手を出そうとしたりしなかっただろう!?』
『アランの場合は、ただのヘタレだっただけの気もするけどね…?』
『そんなヘタレがビアンカを世界一大事にする未来の旦那様だ!勿論ビアンカがこんな俺でもいいって言ってくれるならだけど…』
『その言葉を守って、私を世界一幸せなお嫁さんにしてね!』
ビアンカが真剣な顔で俺を見て言ってくれる。
俺も真剣な顔で返す…
『勿論だ!絶対に幸せにしてみせるからな!!』
俺はビアンカを抱きしめた。
この時の俺は本気で、一生ビアンカだけを愛し続けていくつもりだった…
男という生き物の本能が、如何に愚かで誘惑に弱いものであることを全く理解出来てなかった。。
そしてこの先、遊び人のジョブがどれほど異性に対して影響を与えていくものなのか、全く理解が及んでいなかった。
その夜、俺が部屋で魔力の訓練をしていると…ふいに扉が叩かれる。
『アランいる?』
アクティーの声だ…俺は部屋へ入れ、
『どうしたんです?怪しまれないようにあまり頻繁に会わない方がいいって言ってませんでした?緊急で何かありました?』
『さっき、ビアンカと偶然会ったの…そして、アランとビアンカの婚約のこと聞いたの!あの様子だと2人はとうとう結ばれたのね?おめでとう!!』
『ありがとうございます。それを言いにわざわざ来てくれたんですか?』
『そうよ!2人が婚約して、結ばれてくれたお陰で、私が我慢する理由が消えたんだから、嬉しくて飛んできたわ♪』
『話がみえないんですが…何のことです?』
『アランと私がエッチすることよ!
愛人の私が、正妻より先にアランの初めてを貰うのは流石にちょっとは気が引けてたの…
それによって2人が別れることになったらアランが悲しむと思ったしね!でも、もう婚約したし、堂々と愛人作っても別れることもできないし、何の障害も無くなったわ!』
『ちょっと…?
何を無茶苦茶なこと言ってるんですか?俺はビアンカを愛してるんです!結婚するんですよ!
それが何故アクティーさんとエッチすることになるんですか?』
『私がアランをどうしようもないくらい好きになってしまったからよ!!
私が望むのはアランとのエッチだけ!妾にしてだなんて言わないし、責任なんて押し付けない!
だからお願い抱いて!』
『それは流石に無理です!ビアンカが悲しむことをしたくないんです…』
『この国は法律で浮気も妾も許されてるのにそこまで悲しむのかしら?アランがビアンカをちゃんと大事にしなければ悲しむでしょうけど、本妻としてきちんと大事にすればいいことじゃない?それが男の甲斐性ってものよ!』
『法律がどんなだろうと、アクティーさんがどんなに魅力的だろうと、俺にはそんなこと出来ない。』
『あの時、私をあんなに気持ちよく触ってくれたのに、そんなこと言われても信じられないわ!』
『あれはスキルが発動してるのにアクティーさんが勝手に触ってきたんじゃないですか!』
『あれは、スキルの効果もあったのね!?何のスキルか分からないけど、あの気持ちよさは罪よ!
アランにもその罪の一部を味合わせてあげるわ!?』
俺はそれでも断ろうとしていたが、アクティーが俺の口を塞いでしまった。
ネットリとアクティーの舌が絡み付いてくる。
俺がアクティーを退けようと手を肩に伸ばすと、逆にその手を掴まれ方向を下にずらされる…そこにあるのはアクティーのおっぱい。。俺はそこで混乱してしまい、固まってしまった。その隙にベッドに押し倒されてしまう。
アクティーのキスは激しく、時に優しい。抵抗しようとするも、気持ちよくて、体の力が抜けてくる…そして、押し付けられるアクティーの胸は、ビアンカのものよりも遥かに大きく柔らかい。
俺の頭の中は、「こんなことダメだ!」を連呼しているも、体は痺れたようにいうこときいてくれない。その時だ。。アクティーの右手が俺のズボンの中に潜り込んでくる…
「ビクンっ!」
アクティーに握られたことにより、体が反応してしまう。アクティーの手は、俺の気持ちいいところを優しく優しくコネクリ回してくる…
こんなことダメだと思いつつも、もっと気持ちよくして欲しい。もっと触って欲しいと同時に考えてしまっている自分に戸惑う。
気付けばアクティーはキスを止め、俺のズボンとパンツを脱がしている。今までキスしていた口は、そのまま俺の大切なものを包み込む!
アクティーの舌と口と手が織り成す技はとんでもなかった…
俺は何度もいきそうになるも直前に止められる。そして、再び快感の波に襲われながらも、決していかせてはくれない。
何度繰り返されたか分からないが、俺のあそこは気持ちいいのと、辛くて爆発しそうな感覚とでおかしくなりそうだった。
『アラン辛い?気持ちよくて、いきたいでしょ?おかしくなりそうでしょう?
それがこの前アランに触られてから、私がずっと感じてる感覚なのよ!私がアランを求めてしまう気持ちを分かって欲しいの…
お願い私を抱いて!!』
そのまま上に乗り、俺のものをゆっくりとゆっくりと自らの中に入れ、動き出す。。
『あ~気持ちいい♪アランとやっと結ばれた!それだけで幸せ♪』
アクティーは、よっぽど求めていたのだろう。
俺が何度いこうと、動きを止めず俺は搾り取られるように快楽の時が流れるのだった…
【ジョブレベルが上がりました】
全てが終わったあと、虚しくレベルアップのアナウンスが流れる中、俺は何もまともに考えることが出来なかった…
ビアンカのこともアクティーのこともどうしていいか分からなくなっていたのだ。形は俺がアクティーに襲われたといっていいだろう。しかし、力は俺の方が強いはず…本気で止めようと思えば止めれたはずなのだ。
俺には出来なかった…
快楽とアクティーが勝手にしていることだと言い訳にして、途中から俺はアクティーを求めてしまっていた。もっと気持ちよくなりたい!もっとアクティーが欲しい!そんな気持ちが混じっていたことを否定出来ないのだ…
(俺は糞だっ!
ビアンカを一生大事にすると誓った夜に何をしてるんだ…することしといて、涙しながら言い訳を探す卑怯な自分に吐き気がする…)
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