第13話 ペットでもいいのかよ!
ネズミから話を聞き終わって一段落していると部屋の様子が変わる…
『しまった!もうボス復活か!?安全なダンジョン核の部屋に移動しなければ…』
俺が急いで移動を開始する。しかし、時既に遅し…復活したウエアラットは奥の部屋への扉を守るために目の前に立ち塞がる。。
『ダーーリーン!!心配したにゃー!』
ネズミがウエアラットに突撃して押し倒し、顔をウエアラットに擦り付けている。
『ギ!チュギャー!』
『ダーリン?どうしてそんなこと言うにゃ?』
『キュギャー!チューップ!!チューチュープーップ!?』
『そんな!本気で言ってるにゃ?私への愛は嘘だったとでも言うにゃ?』
『チュギャー!キュァギギギギャルルル!!』
『そんなこと言うの止めてにゃ!これから私はどうすればいいにゃ!?』
『チャーッギュルアー!』
『そ、そんな…』
ネズミが泣きながら倒れ伏す…
状況からして、ウエアラットにネズミが振られたのか?しかし、なぜ??
『チャーッギュルアー!グルラァ!』
『ダーリンの嘘つき馬鹿野郎ーー!!』
ネズミの怒号の後、消えたと思った瞬間、ウエアラットの頭が破裂した。
「パンっ」という音が遅れて聞こえてくる。
(音速越えてるのかよ!どんだけ早いんだよ!?)
『何があったんだ?大丈夫か?』
俺は泣き崩れるねずみにゆっくりと近づく…
『ダーリンにひどいこと言われたにゃ!愛してるわけないだろ!もう俺を命令で人形にしてオモチャにするなって言われたにゃ!!』
どうでもいいだろうが、一応先程の会話を訳すとこうなるらしい…
『ダーーリーン!!心配したにゃー!』
『やめろ!もう俺に触れるんじゃない!』
『ダーリン?どうしてそんなこと言うにゃ?』
『散々俺を命令で縛って、人形のようにオモチャにしやがって!逆らえないことをいいことに長い間反吐が出そうだったぜ!お前みたいなただのネズミごときが俺に釣り合うわけねーだろ!?』
『そんな!本気で言ってるにゃ?私への愛は嘘だったとでも言うにゃ?』
『俺にお前を愛してるって言わせてたのはお前の命令だ!死んで命令が解除されて良かったぜ!』
『そんなこと言うの止めてにゃ!これから私はどうすればいいにゃ!?』
『ここからすぐに出ていけ!もう2度と近づくな!!』
『そ、そんな…』
『ここから今すぐ出ていけ、そして2度と近づくなって言ってるだろ!もう見たくもない!』
『ダーリンの嘘つき馬鹿野郎ーー!!』
「パンっ」
どうやら、迷宮のモンスターは迷宮主の命令は絶対らしい。500年ネズミの命令で愛を囁き続けたことに相当ウップンが溜まっていたらしい…
気持ちは分かるぞ、ウエアラット…そんな500年男としては同情する。
『で…これからお前はどうするんだ?傷心のところ悪いんだが俺は早く地上へ戻りたいんだ。協力してもらえないか?』
俺は動かないネズミに声を掛けた。
『…決めたにゃ!!私は、新しい恋に生きるにゃ!あんな男にこれ以上悩むのは時間の無駄にゃ!』
『そ、そうか…立ち直り早いな!?いい恋が見つかるといいな?応援するから頑張ってくれ!
…っで地上に戻る方法を教えて貰えないかな?』
『何を言ってるにゃ?私の新しいダーリンはあなた以外いないにゃ!!これから末長くよろしく頼むにゃ♪ダーリン♪♪』
『はっ?な、何を言ってるんだお前…何でいきなりそんな話になるんだよ!?意味分かんないだろ?』
『意味有り有りにゃ!私の身体にあんな気持ちいいことしておいて…ちゃんと責任取ってにゃ!!』
『いや、あれはスキルの力で、俺の責任っていうのは…あんまりだろ?』
『スキルもダーリンの力にゃ!だったらダーリンの責任にゃ!』
『俺には付き合ってる女の子がいるんだ!だからお前とは付き合えない!!』
(何をネズミを相手に真剣に答えてるんだろ…俺…)
『それなら、何にも問題ないにゃ!元々私たちの種族は一夫多妻か、乱婚が多いにゃ!
他の女といくらでも性交してもいいにゃ!私に構う時間だけ私を大事にしてくれたらいいだけにゃ!
元々種族も違うから性交も出来ないしにゃ。その分、さっきの気持ちいいことたまにしてくれればいいだけにゃ。』
『お前が良くても俺がそんなの困るんだよ!勘弁してくれよ…』
『頭が固すぎるにゃ!段々慣れてくるはずにゃ。取り敢えず試してみるにゃ!?それとも人間の女は、ネズミをたまに可愛がるのも許さないにゃ?』
『そんなはずはないだろうけど、それはペットとして可愛がってるって意味だろ!?』
『じゃー周りにはペットということでいいにゃ♪これで解決にゃ!!よろしくにゃ!』
『お前めちゃ強引だな!?俺はペット扱いしかしない!これでいいなら連れていくことは認める。どうだ?』
『それでいいにゃ!さっさとこんなとこ出ていくにゃ!!』
『待てよ…そういえばダンジョンマスターがダンジョン離れても大丈夫なのか?』
『知らないにゃ!そんな決まりあるのかにゃ?』
『俺も知らないよ!だから聞いてるんだろ…ダンジョンマスターなら何となく分かるとかないのか?』
『分からないにゃ!なら面倒だし、ダンジョンマスター辞めるにゃ!』
『まじか?それって結構重要な決断だぞ?不老でなくなるけどいいのか?』
『ただのネズミの私が既に500年も生きたにゃ!後どれくらい生きれるかは分からないけど、別に構わないにゃ!その代わり死ぬまではダーリンといっぱいラブラブするにゃ♪』
この時俺は初めてこいつのことをちょっとカッコいいと思ってしまった。こいつの残りのネズミ生くらい大事にしてやってもバチは当たらないとまで思ってしまったのだ。。
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