第17話 インナースペース(内面世界)
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凍りついた、すりグラスの中
私は・・・
ゆっくりと・・・
ゆっくりと・・・
暗い暗い泉の底へ・・・
私を護り、覆い隠していた
暖かい膜は
もう
跡形もなく、はじけてしまって
私を現実へ引き止めていた
ハシゴは
折れてしまった
涙の泉にいた
私を支えてくれた、お姉ちゃんも
先生も・・・
私に寄り添ってくれた、雅美さんも
もう居ない。
私は
空白に
うすく
うすく
ただ底に向かって
・・・
「・・・・・」 (2017/10/1 15:03:05)
「・・>;_\*・、。」
「・>;_\*%&$・、。」
「>;_#%(’(’%&’$”#\*%&$・、。」
「|\^~-=$%&$+」
耳鳴り?
外に出るすべを失った私に
聞こえるはずの無い音?
私の凍りついた心に
その音は
かまくらの中の
ロウソクのように
淡いぬくもりを・・・
「な・・・・%?!」
「な・ち・・!?」
音が意味を伝えて来るまで
ううん
符号が、意味を伝えて来るまで
それは
雪に滴る水のように・・
「なお・・ん?! 」
「奈緒さ%$!」
「奈緒さん!」
え?
えっ
なんで
え
これは
ゆめ?
え
それは、
まるで、波長の合わないラジオのように
少しずつ
私に
わたしに
えっ、直人くん?
えっ
直人くんがなんで?
直人
「奈緒さん?わかる?」
奈緒
「えっ、直人くん?」
直人
「そう、直人だよ!」
奈緒
「直人くん?、なんで直人くんがここに?」
直人
「あ、奈緒さん、えっと初めましてかな?www」
奈緒
「でもなんで・・・
直人くんが」
そこで、わたしは
自分を護り覆い隠して居た、膜がもう無いことに・・・
わたしの全てが、直人くんに認識されてしまったことに
直人
「奈緒さん、ごめんな、ずっと気づいてあげれなくて
奈緒さん、俺をずっと応援してくれてたんだな
なおがきえて、歪んだ俺を・・・」
でも、なんで?
直人くんは、ここじゃなくて、現実が・・・
直人
「ううん、無理だよ
俺も奈緒さんも、同じだよ
なおが消え
歪んだ仮面」
「そのなかから生まれた存在
奈緒さんに、怒りが無いように
俺には哀しみが
2人揃って、やっと喜怒哀楽なんだよ」
えっ
でも
直人くんだけでも・・
わたしには
もう
なにも・・・
直人
「そんな事無いよ!」
え、でも、私が居たら
直人くんに・・・
直人
「良いんだよ
居ても良いんだ!」
って?
ああ
なおが居ない今
2人いないと
もう
おれは?
わたしは?
そう
そう
直人くんは、私の憧れだったの
なおさん
奈緒さん、見て居てくれてありがとう
君が
あなたが
俺の怒りを癒し
私の哀しみを
奈緒さん!
もう、ひとりじゃないよ
一人じゃ無いの?
ああ、奈緒さんが去った後
俺はね、血の中に転がるスマホに、
君のお友達に頼ったんだよ!
君は
もうひとりじゃない
えっ
膜が消え
奈緒さんが、隠してた
怖さ
俺にバレたら
消えなきゃいけないって気持ち
奈緒さん
大丈夫
一緒だよ
ほら
きみには、芝さんも、白さんも、里緒さんだって
www
俺だってね
『大丈夫!』
その言葉?は
私の凍りついたすりガラスを
徐々に温め
淡い光は
ひだまりへと
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