第11話 親友(微笑みの奈緒)
奈緒
直人君、元気ですか?
しばらく直人君の事忘れてて、ごめんね!
あのね
少し前までの直人君は、見てて少し辛かったんだ。
相変わらず、仮面を抱え
過去から逃げる様に
ヒビだらけの鏡で仕事に打ち込んでた。
うん
直人君は、気が付いてなったみたいだけど
私には、そんな風に見えた
あのね
私、お友達って呼べる人ができたんだ
今まで、直人君しかいなかった、私の心の中に
お友達の心のカケラが、集まって来たの
ごめんね、ちょっとだけバタバタしちゃって
しばらく見てあげれなくて
(。-人-。) ゴメンネ
私、自分の居場所、見つけたかも
いつか、直人君もご招待したいけど
いつになるかわからないけど、そのうちにね
久しぶりに見た直人君は
少し笑える様になっていたみたい。
私の祈りが届いたのかなって、少し安心した。
だから、今度は直人君にも居場所が出来たら、
私も嬉しいな。
あ、友達が来てるみたいだから、行くね。
私のお部屋にも、少しずつ
お友達が笑顔を運んでくれる様になって
私も
そのお友達のお部屋を訪れたり
雑談したり、面白い音楽や動画を教え合ったり
そんな毎日が私の日常になった。
隙間時間を見つけては、スマホ片手にチャットに入る毎日
相変わらず、私のベースキャンプは
お姉ちゃんと、先生と、伽耶子さんのお部屋だったけど
私のお部屋にも、少しずつ少しずつ
笑顔のログも増えてきたある日
伽耶子さんのお部屋で仲良くしていた
雅美さんと、里緒さんと出会ったの
雅美さんと里緒さん
他所のお部屋で、荒らしを挟んで大げんかしていた。
始まりは、多分
仲良くお部屋で、お話をしていた中に
荒らしがはいってきたんだと思う。
荒らしを絶対悪だと言う、雅美さん
荒らしも、なりたくてなってるわけじゃ無いって言う、里緒さん
雅美さん、後で知ったんだけど、病を抱えてて
入院と退院を繰り返す日常に
少しでも、癒しと笑いが欲しくてチャットに来てた。
だから、お部屋の空気を乱して
友達を泣かす、荒らしが許せなかった。
里緒さんは、自分が、荒れていた時期があって
それで、嵐の気持ちが分かっちゃって
荒らしも、きちんとお話できる人間だよって
言い争う二人に、そのお部屋のほかの人達は皆、落ちちゃってた。
お荒らしと雅美さんと里緒さんが残ったお部屋で
二人のいい争いはエスカレートし
お互いの信じる者まで傷つけあっていた。
私は見ていられなくなって、思わず飛び込んじゃった。
入ったからといって、なにかができるはずも無かったけど
わたしには無い、怒りと言う感情を、ぶつけ合う二人が
言葉の武器を投げ合いながら
投げるたびに、自分の心に傷を負い血を流して行くのが
どうしても、悲しくて
二人は、伽耶子さん部屋の住人ではあったけど
まだ、そんなに言葉を交わしたわけではなく
そんなわたしに2人は
「あんた誰よ!ほっておいてよ!」って
異口同音に私に怒りを投げつけ
そして、雅美さんは部屋を出ていってしまった。
その場は、私が入った事で、なんとか収まったけど
そんな、最悪の出逢いをしたのに
わたしには、2人が泣いているように見えて
どうしても、見放すことができなかったの。
ヤコさんは
「ほっておきなよ!里緒が癇癪起こすのはいつものことだし
あんまり深追いすると、あんたも巻き添えもらうだけだから」
って、突き放していたけど
ヤコさんは、部屋主として、お部屋を守らなきゃ行けないって
2人の対立する意見は、
どちらも正義な事は十分に分かっているみたいだった 。
だから、2人がお部屋に出入りするのを
禁じたりする事はなかったし
その後もみんなで笑って話をしてたりしたけど
雅美さんと里緒さんは、お互いが入ってくると
いつも、どちらかが、プイッと出ていってしまうようになった
そんなことがあって
私はというと
ますます2人から目を話すことが出来なくなっていた。
プイッと自室に引き上げてしまい
寂しそうにしている2人の元に
見かけると、私は、足を向けるようになった。
2人と個々に話をする内に
自然と2人とも、自分の体のことや、
心の傷のことを話すようになり
私も自然と、今まで、心の奥底にしまってあった想いや、
過去を共有するようになっていったの。
わたしには、今までなかった、暖かさ
全てを知った上で、寄り添い会える同等の存在
わたしは気がついたの
私が欲しかったのは、癒されることじゃ無い
お互いの傷を知った上で、
寄り添い共に励まし合い、癒し癒されることこそが
私の、求めているものだったって
そんなことがあって
私のお部屋は模様替えをしました。
悲しみの奈緒からの卒業
「微笑みの奈緒」 って w
今までのログはそのままだけど
メニューには、「癒し」「相談」「安らぎ」「雑談」の文字が増えました。
「癒し癒され」
が私の本分だって
気がついちゃったから !
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