27 元に戻るには夏生さんが

 春樹パンダが、莉子ガエルを見上げながら「改めて言うぞ。莉子はカエルのぬいぐるみに乗り移ったんだ」


「そ、そんな……」


「良かったな……莉子。ぬいぐるみになりたいって言ってたもんな……」


「いやだーーーーーー!」莉子ガエルが手足をパタパタさせながら、わめき散らす。「なんでなんで、よりによってカエルなのーー? うさぎがよかったーー!」ペシペシと手が夏生の胸にあたる。


「ハッ! 夏生さん、おっぱい柔らかい!」


「あっ……これはね、ブラにジェルが入ってるの。ってこれ夢? 私、テレビ見ながら寝ちゃったの……?」


「夢じゃないみたいですよ」


「私、ぬいぐるみの声が聞こえるようになったんだ……。すごいな……」夏生は遠い目をしている。


「夏生さん! 私です。莉子です。カエルのぬいぐるみに乗り移っちゃいました!」


「のりうつり……?」


「そうです! そしてあなたの弟、春樹は夜中からパンダのぬいぐるみに乗り移ってます!」


「はぁ……」


「そういうことなんだ。だから俺の本体はいつまでも寝てるんだ」


「夏生さん、私と春樹が元に戻れるように協力してください!」


「きょう……りょく……?」


「はい! 夏生さん、パンダとチューしてください!」


「イヤダーーーーー!!」春樹パンダが絶叫した。



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