5 パンダに転生した?

莉子は絶叫した。


「何これ。しゃべるぬいぐるみだったの? わ、わかった。春樹のやつ、パンダの中にケータイとか仕込んでたのかな。聞いてないんだけど。ねえ、春樹聞こえる? 春樹ぃ、はるきぃ〜」


「莉子……」


「あっ春樹? もしもーし」


「……電話じゃないみたいだ」


「えっ、ちがうの? じゃあ何? まさか隠しカメラとか仕掛けた? 遠隔操作でパンダ動かしてるの? やだ、きも〜い」


「そんなことしてねーよ。俺の声ってどこから聞こえる?」


「パンダから」


「……ちょっと電気つけてパンダに鏡見せてくれる?」


莉子はパンダを抱きかかえたまま、電気のひもを引っ張り、三面鏡ドレッサーをパンダの顔が映るように見せた。パンダが短い手足をパタパタさせている。


「ねえねえ、もしかして」


「……」


「春樹、パンダに転生した?」






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