4 パ、パンダが

莉子は帰宅後テレビを見ながら夕飯を食べた。お箸もお皿もパンダ柄だ。


母と二人暮らしだが、今夜は夜勤で居ない。

パンダ形の歯ブラシで歯を磨いてからパソコンでweb小説を1つだけ読んで、もらったパンダのぬいぐるみを抱きしめながら布団に入った。


「春樹ってば告白してくれるんだと思ったのに。期待させちゃって、やあね」とパンダに話しかけた。


無表情のパンダが莉子を見つめる。手触りがよく抱きまくらのような柔らかさのおかげで莉子はスヤスヤと眠りについた。




夜中2時


胸の中のパンダがモゾモゾと動き出して莉子は目が覚めた。


「んん?」


モゾモゾモゾモゾ


「ん? 何これ。このパンダ動くぬいぐるみだったの?」


スイッチを探そうとパンダの体をムギュムギュとモミモミする。


「ヤ、ヤメロ」


「ヘ?」


「ダカラ、やめろ。苦しい」


パ、パンダがしゃべった…………………。


「ぎええええええええええええ!」

















  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る