第458話 大宴会!!!!!!!! ぱーと2
◇◇◇
(はぁぁ、やっぱり未来ちゃんはつぼみ姉と上手くいかないかぁー。意外でもなければ当然かなぁ……未来ちゃんって普段から家族団欒を乱されると烈火の如く怒るし……)
義孝が座る席から10メートルほど離れた席にて――。
竜胆実花は美味しいカルビを食べながら、愛する妹と父親、そして姉を心配そうに見ている。
「……実花さん、そんなに気になるんならあっちの席に行きなさいな。こっちは気にしなくていいから」
そうしていると隣に座っていた望が話しかけてくる。
実花の席は隣に望、向かいの席にフレア、三沢だ。ちなみに席に関しては各々が好きな席に座っている。
「あっちの席に行くとうるさいハイパー小姑みたいになりそうだからやめとくー「あらまぁ、つぼみさん、あなたお肉も綺麗に焼けないようでは立派な東方不敗にはなれませんよ。この馬鹿弟子がああああああああああ!!」みたいな!」
「別につぼみさんは弟子でもなんでもないでしょ……」
望が実花の面倒なボケにスルーせずに優しく対応してあげている時、三沢が持っていたビールを飲み干す。
三沢の表情は少し暗く、どうにも疲れているように感じだ。
「でも、テンチョーも本当にお人好しだぜ。まったく……そこの定員の兄ちゃん! おかわり頼む!!」
「ん? どうかしたのミサワッティー?」
実花が三沢を気にかけると、三沢は不安をごまかすように笑う。
「あーいや、悪い。つぼみのことを聞いたら、変にもやもやしちまってたぜ」
義孝はこの飲み会が始まる前に三沢、新井、由衣にはつぼみのことをきちんと説明していた。
それを聞いて三沢は……つぼみの家庭環境と自分の家庭環境とを比べてしまっている。
「三沢様は修羅場をくぐっておいでですから……」
「あはは、フレアだけには言われたくないぜ……」
三沢は苦笑いを浮かべつつ、店員が持ってきたおかわりのビールに口をつける。
そして大きく首を左右に振り実花を見る。
「…………ぐちぐち悩むのはあたしらしくないぜ。実花! ちょっとつぼみのことを店裏に呼び出してカツアゲしてもいいか!?」
「…………それをおk、おk〜って言うのは、はばかられるんだけど」
(でも……ミサワティーとつぼみ姉が話すのはありかも……つぼみ姉はまだ悩んでる、それを解決する薬になるかも)
「そんなイジメる予定はないから安心しろ! よっしゃあああ! そうと決まったら行くぜえええ!!」
三沢はビールを一気に煽り、ズンズンとつぼみの席に向かう。
それを見て望が一言ーー。
「ふふっ、どうして義孝さんの周りにはお人好しが集まるのかしらね……」
「いや本当にね……娘の私でもわからないミラクルだよ」
実花は望の質問に笑顔で答え、義隆に視線を送る。
実花としてはつぼみと暮らしてもいいと思っている。人間的には嫌いではないし。
だけどそれは本人が心から望んだ場合だ。
今のつぼみにその意思はないのは見ていればわかる。父親に命令されたからこの場にいるだけだ。
(今のまま一緒に暮らしても……誰も幸せにならない。だから……私も頑張らなくちゃ)
実花は心の中でそう思い、三沢の動向に注目することにした。
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