第189話 誕生日パーティ!!!(5)
俺の誕生日会が始まって数時間後――。
時刻は9時過ぎ――。
俺の家には明菜が持ち込んだ大量の料理と、集まってくれた美女たち――。
明らかに部屋の広さのキャパを越えているが、不快感は全くない。
……冷静に考えるとすごい状況だな。
料理は明菜が気合を入れてくれたらしく、かなり豪華だ……ピザにローストビーフなどなど……味もさることながら、見栄えもかなりいい。
明菜は仕事の動画でも料理をすることが多いって言ってたからな。そのおかげで前よりも上達してる気がする……もう、プロ並みだろこれ……。
美人で優しくて、おっぱい大きくて……明菜と結婚する奴は幸せだよな……。
「…………」
それにしても――。
よくこの狭い部屋によくここまでの可愛い子たちが集まったよなぁ……。
実花未来に音無親子、それに明菜、如月、アヤメ……
レベルが高い……どこのアイドル事務所だよここは……そろそろ来る仕事帰りの葵ちゃんに今すぐ会いたい気分だ……。
「ふふっ、店長、子供の日に誕生日ってなんか可愛いですね」
俺の方を見て楽しそうに話す由衣。馬鹿にする感じではなく、微笑ましいものを見る感じだ。
「うっせえよ。子供の頃から言われ続けてることだよ……」
「ふふっ、誇りなさいな。貴方、いい意味で子供っぽさを忘れないのはいいことよ」
「そうよね。ふふっ、如月さんと同じ意見だわ。店長は天使爛漫って言葉が似合うわ」
おい、それ褒めてるのか……? 俺いい大人だぞ……。
はぁ、如月と由衣は俺が知る限りあんまり関わりがないはずなのに……仲がよさそうだな……。
「よし! パパ! そろそろ誕生日プレゼント渡しちゃおうかなぁ~~」
「あっ……さっき、そんなこと言ってたな。そんなに気を使わなくてもいいのに……」
俺はそんなことを言いつつも、年甲斐もなく内心では嬉しくてワクワクしていた。
い、いや、だってな……家族以外からの異性から誕生日プレゼントをもらうなんて初めてだし……少しぐらいはしゃいでも罰はあたらないだろう。
「それで……ん?」
俺がそんな軽い気持ちでいると――。
絆ちゃんとアヤメ以外の女性陣に間で緊張感が高まった気がした……。
な、なんだ? どうした……? 数秒前までは和やかだったのに……。
『…………』
「おじちゃん、おじちゃん、きずなもすっごい、ぷれぜんとよういしたんだよ!」
「あ、ああ……そうなのか?」
「ええ、絆頑張りましたよ。わ、私も……。店長は泣きはらして脱水症状になるので、水分の準備でもしておいてください」
「……お前は俺に世界の半分でもくれるのか?」
「あら? 貴方、世界の半分が欲しいの? それでこそ竜胆と如月を継ぐ者だわ」
……おい、今の適当なボケで何で如月はそんなに嬉しそうなんだよ。
「よ、義孝さん! わ、わたしからのプレゼントなんか迷惑かもしれませんが……受け取ってくれますか……?」
「それはありがたく」
むしろ裸で土下座してでも欲しい。
「よ、よかったですぅ……」
「あっ、お兄ちゃん! 私も私も……!!」
いや、お前の誕生日プレゼントってあれだろ……? 家のキッチンに置いてある巨大な包み……すっげぇー、嫌な予感がするんだが……。
「お父さん……私は全てを知っています」
……お前は神か?
そんな神は隣にいる俺にしか聞こえない音量でーー。
「お父さんの性癖や好み、はてまでは初めてお母さんと結ばれた時に一番最初に舐めた場所さえも……」
「…………」
おい、何を真面目な顔で言ってやがる! そんなカミングアウト反応できねぇよ! というか美奈のやつ娘に教えてるんだよ!!
「ふっふっふっ、パパ。私たちの準備は万端だよ!! さあ、誰のプレゼントから見てみる?」
実花は今の状況を楽しんでいる感じで悪戯っぽくほほ笑む。
……な、なんか、これは重大な選択な気がする。俺の精神的安定を守るという意味で……。
「……………」
皆……真剣な表情で俺を見てるし……。
俺は意を決してある人の名前を呼んだ――。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます