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 こうして、わらわはタルサの力を受け継いだ。


 妾はそれだけでなく〝戦いの女神タルサメシア〟の名も受け継ぐことにした。


 そして、それからの妾は〝タルサ〟として生きた。


 それこそ口癖くちぐせまでタルサに似せていく妾は、病的だったのかもしれぬ。


 妾はタルサの力を使い、お主様の残した小説を読み返しながら戦い続けた。


 その渦中かちゅうで、妾は全てを知りたいと願うことになる。


 妾がもっと、それこそタルサのように知ることができていたら、タルサは死なずに済んだのかもしれない。いや、それよりも、もっと根本的に――妾があの時、トラックの存在を知っていれば、お主様だって死なずに済んだハズじゃ。


 知るとは正解を導き出す過程において重要な要因じゃ。


 妾はそれ以上に仲間を失わないために、それこそ知りえる全てを調べていった。




 妾はそれからも戦い続け、最終的に、仲間の身代わりとして死んだ。




 正直に言えば、妾は死んだが、現世に未練みれんなどなかった。


 妾は妾の望むほどには生きておったし、命の恩人であるお主様やタルサのように〝誰かのために死ぬ〟ことができたから、満足だったのじゃ。


 ……しかし、死んだハズの妾は、白い空間に立っておった。


 目の前には、見覚えのある服装の――お主様の後姿があった。


 その瞬間、妾の知りたいという欲求が願いへと形を変え、この状況の全てを教えてくれた。


「お主様に出会えて、妾は嬉しい」


 本心が、口からこぼれておった。


 妾の目の前には、妾の好きな人がいたのじゃからな。

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