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「待て!」
俺は少女を追って走った。
少女は扉を抜け、廊下を突き進んで宿屋から外に出ていく。
俺も同じように扉を抜ける。
すでに日は落ちており、街灯の少ない道は薄暗く肌寒い。
視界の悪さから少女を見失うかと思ったが、それは
追いかけて曲がった道の先で、少女が立ち止まっている。
その少女の行く手を
「コロナさん!?」
コロナは俺を
「こいつを誘き出してくれてありがとう」
「……
少女が小首をかしげ、ボロ布の下から右腕を突き出した。
少女の腕は一瞬で伸び、二メートルはあったコロナまでの距離を詰める。
コロナはそのまま、少女の伸びた腕に――胸を
石畳がコロナの
「――ひひひひひひひ」
その笑い声は、少女の腕から発せられていた。
少女の腕は黒く染まり、無数の口が生え、
「――久しぶりだなぁ創造神よ。――創造神の力を消し去るためにこんな所まで来たが、
「いいえ、滑稽なのはあなたです」
腕が胸を貫いたままにも関わらず、コロナが口を開いていた。
「ここであなたを殺します」
コロナが腕を伸ばすと、その手に一本のランスが生成された。
コロナはそれを振りかざし、黒い腕に突き刺す。
黒い腕は突き刺された箇所で切断され、ぼとりと落ちた。
コロナは地面にのたうち回っている腕を踏みつけ、そのままランスで
「――心臓を潰したんだぞ? ――普通なら即死だ。――なぜ立っていられる?」
黒い腕は地面に貼り付けにされているが、それでも口々に喋り続けている。
「拡大解釈でしょ?」
答えたのは少女だった。
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