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このパソコンがあれば、タルサが何をしているかを調べることはできるだろう。
でも、そんな
なぜなら、タルサは俺の事なんて、もう好きではないのだから。
「まさか……パーティ解散しちまったのかっ!?」
うなずく俺を見て、狼男さんは天井を
「かーっ、
「タ、タルサにだって事情が――」
「違いねぇ!」
酒のせいだろうか。
つい怒鳴りそうになった俺を、狼男さんが止めてくれる。
「けどよ? そんなもん当たり前だろ? あんだけべっぴんで、しかもSSランカーだ。頭も良さそうだし、簡単に道を間違えるようには見えねぇ。でも、俺はあっちの事情なんて聞いてねぇんだぞ?」
狼男さんは目を細めて俺を見つめる。
「……どういう意味です?」
「俺が言いてぇのは〝兄ちゃんが〟どうしたいのかってことだ」
「俺は――」
俺は、どうしたいんだろう?
俺はタルサのことを、どう思ってた?
「俺さ、実は願いで兄ちゃんの言葉が嘘か本当かわかるんだぜ? すげぇだろ? 教えてやろうか? 兄ちゃんの本音をよ?」
へらへらと笑う狼男さんは、かなりでき上っている。
いつの間にか、その顔は
「アイツに惚れてんだろ?」
狼男さんの笑みに、思わず立ち上がった。
「お、俺はタルサのことなんて!」
慌てる俺に、狼男さんはまた笑った。
「あんな上玉、どんな男でも好きになっちまうさ! それより勿体ないと思わねぇか? 俺があんな上玉と知り合えたら、それこそ尻尾を振ってでも一緒にいることを選ぶぞ? いいか兄弟? 俺が大切なことを教えてやるっ!」
狼男さんは俺と肩を組んで小声で伝えてくる。
「昨日の昼、俺の力で見た結果だが、アイツは兄ちゃんにほの字だったぞ?」
「……それが、違ったんですよ」
俺は酒をぐびっとあおる。
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