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あと一歩で表通りへと出られる
俺はその後姿を見つめながら立ち止まる。
くるりと振り返ったタルサは、笑っていなかった。
「お主様よ、これを受け取れ」
タルサが差し出してきたのは、
「タルサ?」
俺が麻袋を受け取ると、タルサは頭をかいて、
「
「……なんでだよ?」
「すまぬ」
タルサは困ったように眉を寄せた。
自分で言っておいて、俺の疑問はまるで的外れだと気付く。
タルサは俺と別れる理由ができたんじゃない。
タルサが俺といる理由が、無くなったんだ。
「妾はこれから、あの黒い腕と手を組む」
「……どうして、そうなるんだよ?」
でも、理由ぐらいは聞かなきゃ、納得できない。
「妾は効率主義者じゃ。妾の目的は現世に生き返ることであり、そのためにお主様の願いを利用しようとしたが――それよりも、もっと確実で手っ取り早い方法がある」
「その方法って、何なんだ?」
俺のことをまっすぐに
「この世界はすでに、黒い腕の手中にあるといっても過言ではない。現世から次々に願いを持つ天使を送り出している天使の軍勢は、この世界にとって最大の脅威である。その転生した天使の中に〝現世へと戻れる願い〟を持つ者が生まれるのは時間の問題じゃ」
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