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俺はパソコンから目を離し、タルサへ振り返った。
そこには、当然のようにタルサが立っていた。
気の強そうな視線と、人を小馬鹿にするような口元。金の長髪と
「……やはり、
タルサは俺を見返し、ニヤリと笑っていた。
「コロナ殿よ。ひとつだけ
「……忠告はありがたいのですが、元々そのつもりです。私は
「くっくっく。妾をわざと呼び寄せたというわけか? 妾が来るよりも先に、天使の中に〝探索系〟の願いを持つ転生者が現れる可能性だってあったじゃろう? コロナ殿にとって、先ほどの問いは、そこまで危険を犯してもでも知りたい問いじゃったのか?」
「はい」
「……これから、コロナ殿はどうするつもりなのじゃ?」
「私は、私と同じ願いを持つ仲間たちを、必ず解放してみせます」
コロナの宣言に、タルサは笑みを消した。
「それがどれほど困難な道か、コロナ殿は知っておるのか?」
コロナを
何も分からないのは俺だけなのかもしれない。
二人の会話を聞きながら、
「私はこの力で仲間を解放したいのです」
力強くタルサを見返すコロナだったが、タルサの表情は
「仮に、心の底からあの黒い腕に従う天使がいた場合、コロナ殿はどうするのじゃ? そのような場合、コロナ殿の〝解放〟の力を使ったところで、その天使はコロナ殿を襲うぞ?」
コロナは
「本心から王の手先として生きる天使が、いるというのですか?」
コロナにとって、それは信じられないことのようだった。
確かに、タルサが言うように、本心から黒い腕に仕える天使がいた場合、コロナの〝解放〟の力は無意味だろう。それぐらいは俺にだって分かるが、あの黒い腕は天使達に
「黒い腕に仕えるなら敵だし、その場合は天使でも倒すしかないんじゃないか?」
俺の言葉に、タルサは首を横に振る。
「お主様よ、これはそう単純な問題ではないのじゃ。〝解放〟の願いは転生者の最強の武器である願いを正面から切り崩せるほどに強力じゃが、逆に言えば願いや
「こうしている間にも、現実世界では
コロナがタルサを睨み、口を挟む。
「無茶を承知でも、私は抗わなければならないのです」
タルサはコロナから視線を外し、ため息をついた。
「妾は部外者じゃ。コロナ殿がどのような信念を持ち、どのような
「……熱くなってすみません。ご忠告ありがとうございました」
「さて、ここでの用事も全て終わった」
タルサは身を翻す。
「お主様、行くぞ」
今来た通路へと、タルサは戻っていく。
「待ってくれよ!」
俺はパソコンを
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