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 集会所は静まり返り、俺に注目が集まる。


 ……な、なんてことを言いやがる!


 何を隠そう、俺は人に注目されるのが苦手だ。


 小学生の時に演劇で村人Dをやった時だって、緊張による吐き気で台詞を噛みまくり〝がみ〟というあだ名を付けられたのは俺のトラウマである。その頃から神をやってたんだなって、やかましいわ!


 俺は機械の前に立ち、水晶に触れる。


 機械がうねりをあげている間に、コメットさんのつぶやきが聞こえた。


「SSランカーが二人も生まれたら、世界地図が書き換えられるかも知れません」


 そ、そんなに凄いことなのかよ!?


 いや、ここは焦らずに自信を持て。事故のようなものとはいえ、俺はこの世界を創った張本人だ。まさにゴットオブゴット! 創造神である俺が、タルサよりランクが低いはずがない!


 機械から排出されたカードを取り出し、コメットさんの瞳がまたしても驚愕きょうがくに開かれる。


 なんかタルサのカードと比べて質素な材質に見えるけど、大丈夫か?


 なんかペラペラで、安物のポイントカードみたいだ。


 固唾かたずをのむ皆の前で、コメットさんは口を開く。


「知力体力魔術ランク、全て平均以下――信者数ゼロ。ランキング順位は9168752位。こ、これは文句なしのDDランク! ……つまり!」


「つ、つまり?」


「無能力者の最下位ですね」


「き、機械の故障ですよね!?」

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