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神ランキング協会の建屋は広々としていた。
内部には受付の他にも飲食店があり、中央のテーブル席には結構な人数がわいわいと騒いでいる。異種族で肩を組みながら話す彼らを見て胸が
すごい異世界っぽい。
冒険者ギルドって、こういう感じだよな。
「ご利用は初めてですか?」
受付のカウンターから、耳のとんがった女性が聞いてきた。恐らくエルフだろう。神経質そうな彼女は緑の制服を着ていて、
「初めてじゃ。
「私は受付のコメットです。よろしくお願いします」
コメットさんは丁寧に顔を下げるが、タルサは偉そうにふんぞり返っている。
タルサには才能や知識があるのだろうけれど、職員さんに態度がデカいのは良くないと思う。
「妾たちを神へ登録してもらいたい」
「システムについての説明は必要ですか?」
「あの、説明をお願いします」
俺の言葉に、コメットさんはパンフレットを取り出してくれる。
「ここはその名の通り、神々の皆さまをランキング形式で集計しています。また、神々の皆さまにお仕事を請け負って頂く場でもあります。ご依頼には雑用から国家プロジェクトまで含まれ、その難易度に似合った報酬として、魔力や金品の譲渡をしております。高難易度かつ他の神様からのご依頼であれば、信者の譲渡が報酬になることもありますね」
「ここはつまり、神のために仕事を
コメットさんはうなずいて、
「ご依頼には様々な難易度がございまして、その神様に似合ったランクのご依頼しか受理することはできません。まずは登録とランクの査定を行いますね?」
「よろしく頼む」
タルサがここに来た理由もようやくわかった。
ここに神様として登録すれば、依頼をこなして魔力を集められる。
そして、神様としてのランクを上げれば効率の良い仕事にありつけるってことか。
なんかゲームみたいだな。
「では、神ランキング測定機に触れてください」
カウンターから出てきたコメットさんは、受付の隣にある機械を示す。
いかつい機械の中央には、大きな水晶が埋め込まれていて、そこに手を触れると神への登録や潜在能力の測定を行えるらしい。パンフに書いてあった。
「ルーキーかぁ?」
「頑張れよ姉ちゃん! Bランクぐらい出せば上等だっ!」
タルサが前に出ると、背後からヤジが飛んでいた。
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