俺と神のお仕事
31
検問所を抜けた先は、活気にあふれる街だった。
中世ヨーロッパを
いや、実際に彼らはここで生活しているのだから、これこそが異世界なのだろう。
「異種族が暮らしているのに、平和なんだな?」
俺が周りを見渡しながらいうと、タルサは薄く笑う。
「他の国も平和なわけではないぞ? この国は悠久の魔女が治める国じゃ。順位こそ低いものの、その実力は折り紙付きじゃし、民を重んじるこの国に喧嘩を売る
「……その順位って、何の順位だ?」
「その話は目的地に着いてからの方が早い。まずはこの街に来た理由を話すぞ?」
タルサが歩き始め、俺もその隣を進む。
「
「タルサの願いは、やっぱり健在なんだな」
俺の力は失われたってのに、少しズルいと思う。
「
横で歩くタルサの笑顔に、どうしても悔しくなる。
「……俺って、やっぱり役立たずなのか?」
「世迷言を」
タルサはさも意外そうな顔で俺を覗き込んでくる。
「お主様は不可能を可能にする存在。妾はお主様を役立たずだというほど
タルサが見上げている建物は、木造建ての大きな集会所だった。
その建物の看板を見上げる。
「神ランキング協会?」
口に出してみたが、まるで馴染みのない言葉だった。
なんか日本語と英語が混ざっていて気持ち悪いし、新興宗教っぽくて
「何をボサッとしておる? 早く登録に行くぞ」
「いやいや、何の登録だよ?」
「神になると言ったじゃろ? 運転免許と同じじゃよ」
「マジか」
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