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「お主様は、神がどうして信者に祈りをささげさせると思う?」


 また唐突とうとつな質問だな。


「やっぱ神様も信じてほしいとか、お礼が聞きたいとか? 穿うがった見方をするなら……信者から寄付金をつのるため、とか?」


「30点といった所かの。良いか? 先ほど魔力が精神エネルギーという話をしたじゃろ? 他者を想う祈りとは、すなわち精神エネルギーの譲渡じょうとなのじゃ。神は信者に祈りをさせることで精神エネルギーを集め、強大な魔術を行使するわけじゃ。神になるということは、魔術師にとって効率の良い魔力の集め方なのじゃよ。理解できるかのぅ?」


 理解できるも何も……。


「それって、俺の応募した小説の設定そのままじゃねぇか!」


 けっこう面白い設定だと思っていたが、まさかそのまま本当だったのか?


 俺の言葉にタルサは笑うと、


「この世界の根源こんげんはお主様の無意識で構築されておる。そう考えれば、お主様の考えた設定がそのまま反映されることは驚くほどの事実ではない。では話を続けるぞ? その事実に、他の転生者たちも気づいた訳じゃ。結果、この世界には神を自称する者が大量に生まれ、信者の取り合いや魔力を報酬に働く者が生まれた。この世界では、その者たちを神と呼ぶらしい」


 なるほどと納得する。


「……でも、そんな簡単に神になれるのか?」


 俺は普通の高校生だし、信者を集めるなんてことが簡単にできるとは思えない。


「心配するでない。わらわと共に、この異世界を蹂躙じゅうりんしようではないか!」


 ガハハハハハ!


 高笑いするタルサの胸がばるんばるんと揺れている。


 俺は苦笑いしながらも、それを見つめることしかできなかった。

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