女性に耐性がありません

「俺のことが好き…」

 今までの人生で言われたことのない言葉だった。


「そう、原田君が好きです」

 ここで、山村が口を開いた。


「え…」

 これは告白だよな…。


「付き合って下さい」

 頭を下げて山村は言う。


「へ…?」

 周りからの視線が痛い、特に男子からの視線が強い気がする。


「あ、えと、はい」

 生まれてはじめての告白に了承した。


「やまっち、こいつのどこがいいの?」

 黒髪ボブが余計なことを訊く。


「一年前ね…」

 山村は回想に入った。



「おい!お前先輩にぶつかって謝りもしねぇのかよ」

 私は不良らに絡まれてしまった。


「そっちが先にぶつかったじゃん」

 私は勇気をだして正論を言ったが聞く耳を持たない。


「あん?」

 その事に機嫌を悪くした一人の不良、私は髪の毛を掴まれた。


「やめろ!」

 原田は不良に飛びかかりながら言った。


「そっちから彼女にぶつかってるとこを見た」

 不良らの目の前で原田は言い放った。


「ッチ」

 舌打ちをすると不良らは、標的を私から原田に変え、殴り始めた。


「もう関わるなよ」

 しばらくして不良は捨て台詞を吐き去っていった。


「こっちの台詞だ、もう彼女に手を出すな」

 原田は不良らに向けて言った。


「だ、だ、大丈夫ですか?」

 目の前で殴られる人を見て少しパニックになっていた。


「あー、うん、大丈夫」


「でも、怪我してる」

 心配になり鞄から絆創膏を取り出し原田の顔に出来た傷に貼る。


「痛ててぇ、」

 原田は痛そうな声を漏らす。


「これでよし」

 少し微笑むと原田は照れくさそうに目線を反らす。


「絆創膏ありがとう、俺はこれで」

 原田はそう言うと、その場を去って行った。


「ってことがあったの」

 山村は頬を赤らめながら答える。


「え、へぇそんな理由が」

 黒髪ボブは驚きを隠せないようだ。それもそのはず、 俺ですら驚いている。


「そのあと、私は原田君について調べた、誕生日、血液型、好きなタイプ、」

 ストーカー紛いな行為だが気のせいだろう。


 山村は続けてこう言った。

「だから、髪の毛を伸ばそうと思った」

 そういうと山村は、セミロングいじり始めた。


「もう我慢出来ない。好きぃ」

 いきなり山村は目をハートにして接近してきた。所謂いわゆる発情期か?


「バカ、やめろぉ近いって」

 女子に対しての耐性が無いのがバレる。


「何をしている授業始まるぞ」

 先生が教室に入ってきた。




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