『ぶくぶく堂』再生計画!

『ぶくぶく堂』の経営立て直し。まりえの抱えている問題は、俺が思っていたよりも難しい問題だ。『ぶくぶく堂』のことはよく知っている。子供の頃は大好きで、よく買って食べていた。日供祭の後のことだけど。それが1年前、当時の店主が亡くなってからは味が落ちた。だから、俺は今ではたい焼きを自分で作っているんだ。


「とっても美味しいわよ。食べてみて」


 気が進まない俺にたい焼きを勧めるまりえ。仕方なくたい焼きを口にすると、往時の『ぶくぶく堂』の味に戻っていて美味しい。これなら何とかなるかも。早速まりえにみんなを集めるように言う。


 光龍大社の神殿。皆は、想い想いに休日を過ごしていたところだったので、急に集められて不機嫌そうにしている。特に不機嫌なのはしいか。


「もう、せっかくお絵描きしてたのにぃ」


 御神託があったのだから、巫女達を働かせるのを躊躇っても仕方がない。面倒臭い振りをしているしいかにも、俺は平然と命じる。本当はしいかは命じられるのが嫌いではないけど、ときどき反抗的な態度を示す。それって甘えているだけ。だから敢えて横柄な態度で命令してみた。しいかも他の巫女達も異議を全く唱えない。


 しいかは俺とたい焼きの製造補助、アイリスさんと優姫は店内の接客、まりえとあゆみさんとまことは街頭での客引き。さあ、『ぶくぶく堂』再生計画のはじまりだ!

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