始動。『ぶくぶく堂』再生計画!

また御神託!

(暇なのじゃ)

(そうですね。暇ですね)


 宮司がみんな暇な訳ではない。けど、光龍大社の場合、巫女が働き者だから、相対的に俺の仕事はほとんどない。朝夕の日供祭くらいのもの。


(暇を持て余していても仕方がないのじゃ)

(良いじゃないですか。暇は暇で!)


(そなた、働き者の巫女の抱えている問題を解決してくるのじゃ)

(えっ、嫌ですよ。そんなの面倒臭い!)

(神託なのじゃ。言うことを聞くのじゃ)


 こうして俺は御神託により、次に会う巫女の抱えている問題を解決することになる。


 この日は、まりえがあおいさんと買い物に出ている。大社に残っているアイリスさん達が何か問題を抱えているとは想像しずらい。もしあるとすれば、逆に大きいのかもしれない。そう思うと、次に会うのは一体誰だろう、どんな問題を抱えているのだろうと深読みしてしまい、つい難しい顔になってしまう。


「マスター! なんとかして下さい!」


 そこへ、神田川を遡って吹く風より速く、まりえが駆けてくる。俺はまりえの抱えている問題なら大したことはないだろうと思い、納得の表情を見せる。


「だってだって、美味しいたい焼き屋さんが、なくなっちゃうの」


 まりえは、俺が差し出した水をグイーッと飲み、一息入れてから説明する。

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