俺は宮司で高校生!

(そなた、主人のことを忘れるとは、不届きなのじゃ!)


「あっ!」


 俺は思わず声を上げる。すっかり忘れてた。光龍様のこと。


「えっ?」

「何?」

「どうかなさいました?」


 7人の巫女達も各々声を上げる。光龍様に反応しんじゃなく俺の声に反応したみたい。


(あやつらは単なる巫女なのじゃ。儂の声が聞こえるのはそなただけなのじゃ!)


 なるほど。光龍様は全てお見通し。少し話してみよう。


(アイリスさんは、誰の力で擬人化したんでしょう?)

(それは、儂にも分からんのじゃ。)

(えっ、光龍様でも分からないことってあるんですね!)

(当たり前なのじゃ。昨日まで1万年も寝てたのじゃ)

(1万年も! それじゃあ、仕方ないかぁ……。)


 何でも聞いてすませようと思ったけど、そうもいかないみたい。けど、俺の発光体質や不思議な光の能力については、正確に教えてくれた。大筋は合ってたけど、前提条件だと思っていた愛情は不要で、不思議な光を強くを充てたら無条件に擬人化するらしい。


 新しい情報は入手できたけど、新しい悩みも生まれる。みんなが俺に頭のおかしな人を見る目を向けるんだ。急に叫んだり黙り込んだりしちゃったから、仕方がないんだけど。


 兎にも角にも、俺は宮司で高校生。発光体質というくだらない性質を持つ男。7人の巫女のマスター、鱒太一。光龍様の『御神託』に従い、その御神威を高め、年収200万円からの脱却を目指す。

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