7人の巫女
俺が目を覚ますと、水槽はもぬけのから。まりえ達、一体どこへ行った? 心配。そして7人の女の子が巫女装束を着て、こちらを見ている。7人の共通点、それは超絶美少女であること。こんなにかわいい子達が側にいたら大変! 光っちゃうよ。困った。
光龍様の仰った巫女の定員は7名。数は合っている。けど、爆乳をゆらゆら揺らすアイリスさん以外は、合否の発表をまだしていない。それどころか、34から37の4人は欠番のはず。最初っから光龍様の『御神託』に逆らって、祟られでもしたら厄介だ。俺は、恐る恐る残り6人の素性を確認する。
「7番のあゆみです」
「58番、あおい」
「まりえだよ」
「優姫でございます」
「まことよ」
「しいか!」
あゆみさんとあおいさんは、偶然にも『御神託』とぴったり一致。合格ってことで間違いない。良かった。問題は、3人目からの4人。そもそも面接をした覚えがない。けど、聞き覚えのある声。俺は夢と現実との境目が分からなくなって混乱する。
そんな俺を心配してか、まりえが話しかけてくる。
「マスター、お話ししよーよ!」
そうだ。会話の中で、まりえが琉金のまりえなのか、確かめてみよう。俺が琉金を飼いはじめたのは15年前。それからというもの幼稚園や学校での出来事を具に話して聞かせている。何か覚えているかもしれない。これは名案! けど、俺に女子とのトークスキルなんかない気もする……。
「ねぇ、まりえ。俺の初恋の人の名前、知ってるか?」
「うん、知ってるよ。たしか、なまだしあ。CMの」
なまだしあ、好きだったな。幼稚園の頃だけど。でもそんなこと、知っているなんて、やはり琉金のまりえなのかなぁ!
「やだ、サイテー。少女趣味もいいところね!」
そんなことを考えてたら、横から突っ込んでくる人がいる。58番のあおいさん。『なまだしあ』が彼女のNGワードだってことはこの時はまだ知らなかった。真っ向から完全否定されてショック! これだから女子は苦手なんだよなぁ。
「よっ、幼稚園の頃のことだもん。放って置いてくれ……。」
「きっ、金魚に話しかけんのが少女趣味だって言ってんの!」
ぐうの音も出ない俺氏。けど今、俺が話しかけたのは金魚ではない。人間のまりえだ。それを金魚って呼ぶってことはやはり! 俺の金魚達が擬人化したってこと⁉︎
「えー。まりえ、今は人間だよ。手も脚もあるし、おっぱいもゆっさゆっさだよ!」
「ちょっと大きいからって、威張るんじゃないわよ! この、半魚人」
「はっ、はははぁっ、はっ……。」
まりえは白目をむいて倒れる。何という破壊力、何という口撃力! あおいさんってのは、化物か? いや、半魚人の方が化物か! でもまりえだと思うと怖くない、怖くない。そう。それよりも、確かめないと。
「ねぇ、あおいさん。この子達って、金魚だったの」
「あんた、覚えてないっていうの? あっきれたー!」
これで確定。けど、どうして金魚が擬人化したんだろう。何が原因で金魚が擬人化したのか、真剣に考えてみた。
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