第5話 ゴーストちゃんは妹に会いたい

「泉くんの妹に会いたいです!!」


「え?」


 ゴーストちゃんが妹の作ったぬいぐるみを抱きながら凄い歓声で迫ってきた。合わせてあげられるなら、合わせてあげたいけど俺以外には見えないって忘れてないか。


「ゴーストちゃん、多分妹に会っても気づいてもらえないと思うよ」


「そんなこと知っていますよ!! だけど、たとえ見えなくても意思を伝えることは可能です」


 紙とペンを持ち何かを書いているゴーストちゃん。

 書き終わったのか、その紙をこっちに見せてくる。そこに書いてあったのは、いつも耳にたこが出来るほど言われている言葉だった。


『泉くん、早くこの教室から出て行ってください』


「よし分かった。ゴーストちゃん、明日妹連れてくるから今日明日ここにいさせて下さい」


 また、ゴーストちゃんは紙に書き、意思を伝えてきた。

 俺相手なら紙じゃなくていいような……。


『しょうがないな、妹ちゃんに合わせてくれるなら今日と明日は許してあげる』


 紙をひらひらさせながら、嬉しそうな顔をする。

 ゴーストちゃん、ちょろいな。そんな所も可愛いけど。


 妹ちゃん会いたいゴーストちゃんは今日も追い出せなかった。



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