第4話 ゴーストちゃんは無視したい
私がいつも追い出せないのは、なんだかんだあって話がずれるからだと思います。と、言うことは泉くんを無視すればきっとこの教室から出ていってくれるはず。私、天才ですね。
放課後になり、泉くんがやってきました。
「ゴーストちゃん、今日はテレビゲームやっているんだね」
「…………」
「ん、あれ、ゴーストちゃん?」
「…………」
「何で何も言ってくれないんだ。ゴーストちゃん」
成功です。泉くんの顔がどんどんと沈んでいきます。これだけ無視すればもうこの教室には近寄らないでしょう。
「ゴーストちゃんに俺の声が聞こえないのか……。もしかして姿もみえてなかったり? 確かめてみるか」
泉くんがゲームをやっている私の方に近づき、テレビに映っているゲーム画面をその体で遮りました。今、激ムズの裏ボスを攻略している最中です……。
「ぎゃあああああああぁぁ……。よくもやってくれましたね泉くん……。あと一歩で倒せたのに……」
「あ、やっと返事してくれた。どうして無視するの?」
「泉くんがいつもこの教室に来るからじゃないですか!! ですから無視すれば出て行ってくれると思ったんですよ」
「そんなに俺が来ることのなにが嫌なんだよ」
少し強めに言われましたが私は気迫負けなんてしません。
「嫌というわけではなくてですね。私、死人なんですよ、なんで構うんですか!」
「ゴーストちゃんに初めてあったとき、好きになったからだよ!」
「あ……はい……」
たとえ嘘でも好きと言われたら恥ずかしくなるじゃないですか。私は俯き、無視して追い出すやり方をやめました。
純粋すぎるゴーストちゃんは今日も追い出せなかった。
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