第3話 ゴーストちゃんはぬいぐるみ好き

 昨日はカッコ悪い所を見せちゃったからな、今日はカッコよく行こう。プレゼントも持って来たし完璧だな。俺は教室の扉を開いた。


「いつもいつも懲りないですね……。ん? 

 その右手に持っている袋はなんです?」


「これは、ゴーストちゃんへのプレゼント。妹特製のクマのぬいぐるみ」


「妹さん居たんですね。クマのぬいぐるみかわいいです!」


 目を子供のように輝かせてるゴーストちゃんに俺は見惚れてしまう。やはり可愛い。


 さすがに見つめすぎたか、見られている事に気付き、頬を染め俺に言い訳をしてきた。


「こ、これはですね、ぬいぐるみが好きと言うわけではなく、このぬいぐるみが飛び抜けて可愛いと言うか……と、とにかく違いますから!!」


 なにが違うのだろうか。


「分かったよ。そんなに喜んでくれたなら妹も喜ぶ」


「妹ちゃんに、よろしく伝えておいてください」


 またもや顔をニヤつかせ、クマのぬいぐるみに夢中になってるゴーストちゃんを見つめる俺の図が完成した。


 思わぬプレゼントで追い出すことを忘れたゴーストちゃんは、今日も追い出せなかった。


 

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