第2話 ゴーストちゃんは驚かせたい
「泉くんを追い出すいい方法を思い付きました」
泉くんがここに来るまで待機です。今日こそ追い出してみせます。
数分待ち、ようやく扉が開かれました。
あの顔を恐怖に沈めてやりますよ。
「あれ、いつもいるゴーストちゃんがいない? まさか……」
今です。教室の照明を落とし、私は勢いをつけて泉くんを驚かしに突っ込みます。
「い〜ず〜み〜く〜ん」
泉くんの前まで近づくと彼は、頬を濡らしていました。成功です、泉くんを怖がらせる事に成功しました。
「どう、泉くん涙出るほど怖かったでしょ? これに懲りたらもうこの教室には……。え?」
いきなり、泉くんに抱きしめられます。咄嗟のことで、何が何だがわかりません。
「良かった……。成仏したのかと思った……」
どうやら、泉くんは脅かしが怖くて泣いていたのではなく、私が成仏したと思って泣いていくれたらしいです。何だか複雑な気分になりました……。
「知ってるでしょ? 私が成仏できない事……。あと苦しいから離して」
「そうだね。ごめん」
ようやく、解放された。私から離れた彼の目元の赤みを見て少しずつ罪悪感を感じてしまう。
「ほ、ほらお菓子いっぱいあるから食べて。私一人じゃ食べきれない」
「ありがと、ゴーストちゃん」
やはりゴーストちゃんは追い出せない。
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