ゴーストちゃんは追い出したい

シノマ

第1話 ゴーストちゃんは可愛い

 俺が教室の扉を開くとそこには、ポテトチップスを食べながら寝っ転がっている女の子の幽霊がいた。


「あー、また来ましたね。いつも言ってるじゃないですか、もうここには来ないでって」


「ゴーストちゃん、お菓子食べている姿も可愛いね」


「な!! 泉くんはな、なんでそういう事をいつも言えるんですか!!」


 頬を膨らませながら、赤らめていく。

 そんな姿も可愛いなと思いつつ、からかいたくなってくる。


「それはもちろん、ゴーストちゃんの事が好きだからに決まってるじゃないか」


「そんな取って付けたような言葉じゃ、響きませんよ」


 プンスカとお菓子を食べるのを再開するゴーストちゃん。


 今日もゴーストちゃんは追い出せなかった。

 


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る