第十二話:完結-レッドダイバー対アークロイヤル-

 六月も中旬になり、リズムゲームプラスパルクールでも全国大会が開催される流れとなった。

 既に五月にかけて全国で配置されていき、気が付くと一部のエリアを除いて設置されているという展開だったという。

 ARゲームの設置に消極的な場所は、どう説得したのか――疑問に残る所だが、これによって大会を開催できる環境になったという事だろうか。

【ここまでの規模になると、誰が予測した?】

【こちらだって、予想外と言える】

【ヤルダバオトの仕業なのか?】

【それは違う。向こうも、ここまでは予測していない】

【SNS炎上が影響しての評判低下は予想していたかもしれないが、こうなるとは――】

 SNS上では、様々な声がある。ヤルダバオトも姿を見せなくなっており、こうした状況は予定外と見るユーザーもいるだろうか。

 しかし、東京都をはじめとした関東地方に設置される事は想定されていたのかもしれないが、関西や九州、北海道に進出するとは誰が予測していたのか?

 こうした流れも、ヤルダバオトは予測してマーケティングをしていたのか? それとも、メーカー側が全国進出を想定した中でヤルダバオトに妨害されたのか?

 残念ながら、それを知り得る手段は存在しない。メーカーの資料は極秘である事が多いのも、その理由だろう。



 全国大会と言っても、一口にプレイヤー同士がリアルで対戦する訳ではない。そうした形式にした場合、遠征費用等の関係で断念するプレイヤーもいるからだ。

 予選に関しても該当楽曲のスコアトライアルと言う形式になる。予選突破は上位百人、比較的に楽と言われそうな気配さえするだろう。

 しかし、リズムゲームプラスパルクールはリズムゲームだけがすべてではない。パルクールアクションも重要であり、この両方をどうするかがポイントとなる。

【課題曲が三曲設定され、そのスコで決めるのか】

【スコアトライアルなら楽勝では?】

【普通のリズムゲームであれば、理論値で上位が独占されることだってあり得るが、これは違う】

【パルクールアクションに理論値はあるのか?】

【さすがにアクションパートで理論値は用意されていない。しかし、それに近いスコアを叩き出すプレイヤーは数人いる】

【そうしたプレイヤーがリズムゲームパートの腕を上げてきたら、明らかに強敵となる】

 SNS上でも、そうしたプレイヤーを警戒する声がある。レッドダイバーに関しては、既に誰も触れる気配もなかった。

 むしろ、彼に関してはそうしたつぶやきを拡散しなくても結果が分かりきっているという事なのだろう。

「なるほど。そう予想しているのか」

 オケアノスのフードコート近く、そこでタンブラーに入ったコーヒーを飲みながらつぶやきまとめを見ていたのは、真田さなだシオンだった。

 シオンも予選にはエントリーをしているが、現状では上位百人に入る事も難しい。

 今の所はボーダーラインに入っているが、全国大会に参加を表明していないプロゲーマーが着たらどうなるか?

 シオンも――この状況を把握している。むしろ、分からないで放置しているプレイヤーの方が逆に炎上しかねないだろう。


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