第六話:第一の壁-ゲーマー同盟参戦-
レッドダイバーが活躍する一方で、動きを見せる勢力もあった。ガーディアンもその一つだが、それ以上に――彼らが動きだしたのは大きいだろうか。
「なるほど。アレが噂のレッドダイバーか」
金髪ロングヘアーに一七〇センチに近い身長、見た目は外国人にも見えなくもない。巨尻なのも若干特徴になるだろうか?
しかし、彼女は日本人である。そして、彼女の所属はガーディアンではない。
その彼女はセンターモニターのライブ映像を見ているのだが、その場所は少し前にクー・フー・リンがいたゲーセンである。彼女は既にここにはいないので、遭遇する事はない。
「そう言う事ですよ、パーシヴァル」
パーシヴァルの隣に姿を見せた人物、見た目は緑髪のセミショートで前髪はぱっつんと特徴がある。
それに、身長はパーシヴァルより若干高いように見えた。一七〇は超えているかもしれない。
服装はパーシヴァルと異なって私服なのだが――そのセンスは決してほめられた物とは言えないだろうか。
「誰かと思ったら、ガレスか。ユーウェインかと思った」
声をかけられた事もあり、パーシヴァルはガレスの方を振り向く。同じゲーマー同盟のユーウェインではなかった事には少し驚いた様子。
「少し前にユーウェインには会ってるけどね。どうやら、ガーディアンとは別に動くみたいよ」
ガレス自体は今回のガーディアンとは別の作戦をガラハッドが取る事に、反対はしない様子である。
「許せないのは、悪質なSNS炎上を行う便乗勢力――彼らは、力を得たと勘違いして周囲を混乱させているだけ」
他の円卓の騎士を名乗る便乗勢力がSNSを炎上させている話、これに関してガレスは怒り心頭だった。
むしろ、彼女はSNS炎上を最も嫌っている。それにパーシヴァルもツッコミを行わないので、あえて詳細は聞かないようだ。
「レッドダイバーがガーディアンと同調しない以上、引き入れるという事か?」
パーシヴァルは何となくでもガラハッドがどのような行動をするのか、おおよそでも考えている。
レッドダイバーの様な実力者が協力してくれれば、ゲーマー同盟としては非常に大きな戦力になるだろう。
それに、彼はレッドダイバーとしてだけでなく力を制御できているとゲーマー同盟は思っているかもしれない。
「どうだろう?」
ガレスは言葉を若干濁しているが、彼女はガラハッドの考えを全て把握している訳ではないだろう。どっちにしても真相を知る為にも、一度全員が集まった方が早いという結論に至った。
一方で、クー・フー・リンはARゲームのアンテナショップにいた。そこで発見したのが、ある端末――。
それはARゲーム用のデータベース端末、形状は銀行にあるようなATMと似たような物と言えるだろうか。
明らかにゲーム筺体とは全く違うので、見分けがつく。さすがにATMと間違えて現金を下ろそうとは考えないだろう。
そんな事をすれば、SNSで瞬時に拡散されて炎上をするのは決定的だ。
(さて、何から検索をするべきか)
彼女が最初に調べたのはレッドダイバーと言うプレイヤーネームを持つプレイヤーだ。
さすがにそのままの名前を使うプレイヤーはいないだろう――とは考えている。由来となっている名前によっては、かなりの被りが存在するからだ。
しばらくすると、数名がヒット。最終的に絞り込んだ結果、あのレッドダイバーを発見する。
(これがレッドダイバー?)
プレイリザルトの一部も閲覧可能で、成績を見てもいまいちわかりづらい。これが別のジャンルであれば、あっさりと勝率を割り出せるのに――。
しかし、スコアで何となくの予測は出来る。さすがにリズムゲームと他のジャンルではスコア比較をしづらいのだが。
(スコアの方は高めの記録が多い。それに、コンボ数も――)
コンボは数ケタ程度ではなく、百とか二百が多い。このコンボ数が高い程にスコアが高くなるというのもウィ気には載っている。
それを踏まえると、やはり彼の実力は相当な物だろう。しかし、本当にプロゲーマー以上の実力なのか? そこに関しては疑問に残る。
SNS上では英雄とは言われないが、実力者なのは言うまでもない。間違いなく、彼はこのゲームでは実力者なのだ。
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