第五話:新たな世界へ-クー・フー・リン参戦-

 真田さなだシオンとファフニールのマッチングが終了後、別のフィールドでもバトルが開始された。こちらはレッドダイバーが参戦している。

それ以外のプレイヤーも確認されているのだが、その外見はガーディアンにも類似しているようには見えた。

しかし、明らかに様子がおかしい。それに気づいているのはレッドダイバーだけなのか?

『ガーディアンを名乗るなりすましプレイヤーか』

 レッドダイバーは、敵意を向けてくるガーディアンとレッドダイバーと言う対決構図をまとめサイトが取り上げる――そう、考えていた。

下手をすれば今回のプレイがきっかけで、更なるSNS炎上は避けられないかもしれない。

しかし、既にリズムゲームプラスパルクールは別の箇所で炎上しているに近いだろう。

むしろ、レッドダイバーの特撮版を踏まえれば――レッドダイバーの出現と同時に炎上していたに違いない。

『しかし、実力が伴わなければ、ガーディアンを名乗る事は出来ない!』

 レッドダイバーは圧倒的な実力で、ガーディアンの偽者達をあっさりと撃破していく。

彼らの強さはチートによる物だった事もあり、レッドダイバーとしては予想通りな末路に呆れかえるしかなかったが。

「相変わらずのアクションだ」

「あの位のアクションならば、他のプレイヤーでも容易にできる」

「むしろ、危険なプレイに走らないプレイヤー枠としては貴重と言うべきか」

 ギャラリーの話が若干聞こえたレッドダイバーは、もしかして――とは思いつつも、その話に口をはさむ事はしない。

むしろ、話をこじらせないように放置したという方が正しいだろうか?

(やはり、あのガーディアンは偽者だった。警戒するべきは、SNSに踊らされるような勢力か)

 レッドダイバーはSNS上で不審な動きをする勢力に警戒をするべきと考える。

しかし、そう言った勢力は一つに限らないだろう。それこそ、無数に存在すると言わざるを得ない。

『次に動くべきは――』

 しばらくしてレッドダイバーはARアーマーを解除し、別のフィールドへと向かう事にした。

レッドダイバーのままで行動をすれば、逆にギャラリーが増えてしまって逆効果であると考えたからである。



 シオンとファフニールのマッチング動画は既にネット上にアップされており、再生回数が十万に迫っていた。

動画のコメントでも明らかに初心者離れしている事を指摘するコメントが目立つ。さすがに、テンプレ的な荒らしコメントは見かけない。

「あれが初心者なのか?」

「他のゲーム経験者との事だが、そうは見えなかった」

「経験者としてか? それとも初心者としてか?」

「意味としては後者だな。他のジャンルをかじっていて、思わぬ個所で噛み合う事はあると聞くが」

「パルクールアクションのARゲームは確かにある。そちらの経験者か?」

「プレイヤーネームを見る限りでは、FPSだな」

「それだと、明らかにジャンルが違うな」

 草加駅前で動画を見ていたギャラリーは驚くしかない。草加駅近辺では様々なARゲームのフィールドが存在する。

もちろん、リズムゲームプラスパルクールもフィールドがあるし、それ以外もあるだろう。特定ジャンルに偏らない作品が稼働中だった。

それを踏まえて、シオンとファフニールのマッチングにも驚く要素があり、更に言えば――。

(楽曲のレベル3?)

 選曲レベルに驚いているのは花粉症でもないのにマスクを付けている女性――クー・フー・リンだった。

楽曲は聞き覚えのない曲だったが、ジャンルとしてはユーロビートに近いだろうか?

テレビで放送されるような音楽番組では見かけない部類の楽曲があるのは、リズムゲームでは当たり前である。

彼女は楽曲には興味を示さず、むしろプレイしているシオンの方に興味があった。その理由が――。

(しかし、シオンの実力は確か――)

 シオンがFPSでは無敵に近いような実力をSNS上で言及されているのは有名な話。

他のジャンルで無敵という話は聞いた事がない。もしかすると、周囲は他の誰かと勘違いしている可能性を彼女は思っていた。

「えっ!? これって、まさか――」

 さすがの彼女も、目の前の光景には驚くしかなかった。FPSでは『無敵』のシオンが、リズムゲームでも無敵だというのか?

もしくは、相手の方が弱過ぎたのか? しかし、ファフニールもFPSでは実力者であり、明らかにかませ犬と言うポジションではない。

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