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 ゲーマー同盟、彼らの名前が有名になった動画が存在する。しかし、レッドダイバーの動画が拡散したのと同タイミングだった為に、バズる事はなかった。

それに加えて、あまり拡散されても都合が悪いとガラハッドが考えていた事もあり、わずかなユーザーに名前が伝わる程度にとどまっている。

同盟のメンバーにはガラハッドとユーウェイン以外にも、ガレス、パーシヴァルの二人がいた。つまり、本来であれば四人で行動をしていると言ってもいい。

「あの真相が表面化するのは、まずあり得ないだろうね」

 その一言だけを残して、赤髪の人物――ユーウェインは姿を消した。

ゲーセンの方角に消えたと思うが、ガラハッドは全く興味がないかのように別の場所へと向かう。

(SNSを炎上させようとミス探しをして、炎上させる人物なんて、どうせ――)

 炎上させようというメカニズムは、思った以上に単純な物である。

炎上させなければ、そのコンテンツが有名にならないという様な都市伝説はあり得ない――とユーウェインは否定していた。

SNS炎上に正義なんてない。存在するのは炎上勢力と芸能事務所の間で行われるマネーゲームだとも考えている。

(自分の利益を得ようという目的だけでコンテンツを炎上させる連中は――)

 炎上勢力は根絶させるべきと彼女は考えているのだが、単独で実行するには限界があった。

だからこそ、ゲーマー同盟に接触したと言えるだろう。しかし、ゲーマー同盟は彼女が想定していたのとは違う存在だったのかもしれない。



 その一方で、リズムゲームプラスパルクールの設置されたエリアに到着した人物がいた。

彼自体は観光目的で草加市に来ているらしく、珍しい者があると言われて地図の場所へとやってきたのである。

『これがSNS上で噂のゲームか』

 若干カタゴト気味な日本語を話し、北欧神話にありそうな造形の鎧を装備した人物が歩道に接しされた端末を見つめていた。

しばらくして、この人物は別のプレイヤーに指摘されてあっさりと順番を譲ったらしい。何故、このゲームに興味を持ったのかは分からないが。

『到底信じがたいな。何故、このようなゲームが日本でヒットし、海外でも注目されているのか』

 他のプレイヤーがプレイしている様子を見るが、彼がゲームをプレイし始めるような気配がない。

ギャラリーは他のプレイヤーがプレイしている様子を見て、興味を持った人物が近くのアンテナショップへ向かう流れになっている。

ARゲーム用のガジェットはアンテナショップで販売されており、そこで購入する形らしい。

(あのプレイヤーは? まさか――)

 それが変化したのは、ある人物が端末にデータを読み込んでいる辺りだった。

自分が持っているのと同じARゲーム専用ガジェットを読みこんでいたので、FPS系ゲームをプレイする物と思っていたのだが――。

(真田シオンだと――?)

 その人物は、髪型であっさりと特定が出来た。特徴的な黒髪ポニーテールは、間違いなく真田さなだシオンである。

海外プレイヤーの方は、自分の得意ジャンルではないようだが――彼女に挑もうとしていた。



 シオンの方は、装着されているのがFPSゲームで使用しているアーマーなので、これが固定アバターと言う気配がする。

しかし、リズムゲームプラスパルクールでは違うアーマー等を使った方が有利かもしれないのは、百も承知だろう。

自前のアーマーがあったので敢えてこちらを使用し、専用の方が良ければそちらへシフトするのかもしれない。

実際、別のゲームで使用出来るARアーマーでもチート判定を受けるような物も能力によってはあるからだ。

(特にインフォメーションで警告がされる気配もない。それなら、そのまま使っても――?)

 シオンがオプションを設定してソロプレイでも始めようかと考えていた矢先、マッチングが組まれたという趣旨のインフォメーションが表示される。

これには若干困惑したが、今までプレイ動画を見てきてソロプレイがメインではない事も把握しているので、そこまでは驚かない。

『真田シオン、おまえを倒せばこちらの株が上がる』

 シオンの方を見ていた北欧神話風の鎧を着た人物、ハンドルネームはファフニールと表示されている。

「あまりプレイした事ないようなジャンルであれば、勝てるとでも?」

 自分もあまりプレイしないようなジャンルなのだが、挑まれた以上は全力で挑むべきだろう。

シオンは相手の方を振り向くことなく、そのままプレイの準備を行っている。ファフニールの声は全く聞こえていない。

『こちらとしても、FPSであれば有利と言えるが――』

 ファフニールの方も、リズムゲームプラスパルクールは初体験の様である。お互いに経験値が少ないのは一緒か?

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