第4話 SDカードの中身は……

書かれていた依頼人の住所に行くと大豪邸がドンと建っていた。

本当にここなのかと思いながら住所を見ると合っている。

そして、大きな門の横にあるインターホンを押すと

『はい、どちら様でしょうか?』

と使用人らしき人物が出た。

「江崎探偵事務所なんですが、依頼されていたネコを連れて来ました」

そう言うと大きな門が自動的に開いた。

『どうぞ』

と言われ、玄関まで行き扉を開けると依頼人が居た。

「三毛猫の件ですが、この子で合ってますでしょうか?」

ゲージを開けると猫は依頼人に飛びついた。

「はい、この子で合ってます!」

と飛びついてきた猫を頬ずりしながら彼に言った。

そして、横に居た使用人が50万円の入った封筒と別に10万円を彼に渡した。

「これは?」

「追加報酬です。無事連れて来てもらえたので」

その後、報酬をもらった彼は依頼人の家をあとにした。

事務所に戻り、問題のものを見てみようという話をしていた。

「本当に見ちゃいます?」

と不安そうに陵が言うが

「だけど、これ見ずに返しても五体満足で帰って来れそうに無いだろう……」

「見て、やばいものだったら警察に行くんですよね?」

と言われると少し悩んでいた。

実際にこれを持っていって警察に経緯を話してそれで動いてくれるのか。

「一応見てから決めよう!」

といつものように後先を考えないことにしてSDカードのデータを見ることにした。

彼女のパソコンにカードリーダーを付け、SDカードを差し込んだ。

そこには、複数のエクセルファイルが表示された。

1つを開くとズラッと名前や場所などが書かれていた。

「これってもしかして」

と彼がつぶやきながら、彼女からマウスを奪い見始めた。

「そんな真剣な顔をしてどうしたんですか?いつもなら自分で操作するの嫌がるのに」

「いや、場所とかの横に書かれているのって麻薬の種類だ」

「えっ、じゃあこれって……」

2人ともそれを知ってゾッとした。

「そりゃ、血眼になって猫を追いかけるよな~麻薬の取引のデータが取られたら」

「あと1つ気になることが……」

と言いながら、彼女は言いにくそうな顔をしていた。

ん?と疑問に想いながら彼は彼女に聞いた。

「何?気になることって」

「多分ですけど……外でチンピラみたいな人がずっと居るんですよね……

 猫を連れて帰ってきてからだと思うんですけど……」

それを聞いた彼はそっと外を覗くと前のビルの影に2人ほどの男性の姿が見えた。

しかも、こっちをずっと見ている。

「猫の糞を捨てに行った時も居たような気が~」

と猫を連れて行く前にゴミ箱に猫の糞を捨てていた。

2人は真剣に考えた。

今の自分たちはどうすれば良いのか。

そして、彼が出した答えが

「よし、警察に行こう!知っている刑事に話をして、押し付けて終わりにしよう!」

「本当にそれで終わるんですか?」

と彼女は疑いながら言った。

「いつものことだが、終わらないと思う……」

「まあ、一応行くだけ行ってみますか」

彼女はハンガーラックにかけている上着を取り行く準備を始めた。

事務所に鍵をかけ、急いで近くの駐車場に停めてある車に乗った。

すぐにエンジンをかけて警察署に向かった。

その2人の車を追いかけるように1台の黒いセダンがついて走っていた。

何度もルームミラーで確認しながら、遠回りをしながら警察署に向かった。

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