新間(妹)王様と呼ばれた男

『王様と呼ばれた男~日向大輔の軌跡~』 



 よし!遂に本編が完成した!


 日向大輔を追い続けて18年。良い時も悪い時も、私は彼を見続けてきた。その結晶が今、一冊の本となったのだ。



 本の内容は、香田圭司との歴史的な出会いから始まり、常勝の王様と呼ばれた日向大輔が、実は常に香田圭司と云う存在に脅え、無理をしてきた結果、自分が壊れてしまった事。


 そして、香田圭司との雨の日の約束。


 そこから現在までの浮き沈みの中でも、約束を果たすために前に進み続けた日々。



 この本を見れば、日向大輔と云う男が、そして香田圭司と云う男が、そして、その二人の見えない絆が、よ~く分かって頂けるだろう。



 さて、後は“作者あとがき”だけなんだけど…書きたいことが多すぎて上手くまとめられるかな?でも文字数制限あるし…。


 …悩んでても仕方ない。とにかく書きたいことを書こう。私の素直な気持ちを、全て…。





 ~あとがき~



 この本を書き終えて、私の青春は常に日向大輔と共にあったんだなと、再確認させられてしまった。

 この話をすると、知人や友達、家族にまで、ストーカーみたいと言われたけど、確かにそうだったと今は反省している。でも、後悔はしていない。

 彼と初めて会った…いや、見ただけか。18年前、日向大輔と香田圭司との邂逅の場に立ち合ってしまった時から、私はこの本を作らなければいけないと云う使命の様なものを感じていた。その使命は、時には辛いこともあったけど、今の私の人生を作り上げてくれた全てでもある。

 本編を読んで頂けた方はお分かりだと思うが、天才はいる。いや、誰にでもなれる可能性がある。ほんの少しの才能は必要かもしれないけど、それ以上の努力をすれば。そして、天才は周りが決める評価でしかない。天才になんか興味が無いと言ってのける、そんな人達こそが天才なんだと、彼等を見て私は思ったのだ。だから、この本を読んでくれた人が一人でも私の事を天才だと言ってくれれば、晴れて私も天才の仲間入りであるが、当然私は天才などでは無いのであしからず。

 私は、どんなに人生に絶望しても、止まない雨はないのだと云う事を、彼等に教わった。どんなに堕ちても、必ず這い上がる為の切っ掛けを神様は用意してくれているのだ。

 日向大輔が日本代表に初めて選出され、初出場で決勝ゴールを決めた事は記憶に新しい。私もスタジアムで息子と一緒に観戦していた。嬉しかったけど、狂喜乱舞して息子に引かれたけど、でも私の中で、“まだだ”。まだ喜ぶのは早いんだという想いがあった。そして、ワールドカップアジア最終予選最終節、香田圭司と共に約束のピッチに立ち、日向大輔が決勝ゴールを決めた瞬間、漸く私の18年間の使命が一区切り付いたのだと分かった。号泣し過ぎてまた息子に引かれたけど。

 これからも、私は日向大輔と共に人生を歩んでゆくつもりだ。スポーツライターとして、熱狂的なサポーターとして、そして妻として。

 人生で何があるかなんて誰にも分らない。例え未来を知っていたとしても関係ない。その未来の通りになるとは限らないのだ。すべては、今の自分が未来を作って行くのだから。

 結びに、この本を読んでくれた皆様に感謝の意を込めて。最後まで読んで頂きありがとうございました。


 さあ!ワールドカップでも、息子に引かれるくらい応援しなきゃ!


 著者:日向麻衣

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