第26話 お、丁度良いのが来たな!

「月形さん、今日のご予定は?」

「ああ、ちょっと転生してくるよ」

俺はそう言いながら、予定表であるホワイトボードに『異世界転生』と記入した。

「時間が無ければ直帰にするから、後はよろしく~」


 ビルを出た後、交差点で辺りを見回す。

「お、丁度良いのが来たな!」

俺は一台のトラックに目を付け、タイミングを伺う。

「いまだ!そらっ!」


 そして俺は転生した。

イケメンイケボの半裸男神から程よいチートを授かった。

どうやら普通の学園チーレムへの転生だ。

…半裸男神とは、珍しい。

アンチパターンか?


 生まれ変わった俺は5歳にして筆頭剣士を打ち負かす程の才覚を現した。

そしてすくすく育ち、15歳。

俺は高等剣術学園に首席で入学した。


「オマエか?今年の首席ってのは」

「フッ、いずれ私が勝ってみせましょう」

「良いライバルになれそうだなッ!」

「まっ、よろしくな~☆」

「貴様だけに活躍はさせんぞ!」


 ゾロゾロと俺の前に登場するイケメン達。

学園に咲き誇る薔薇、薔薇、薔薇。


 まさか、これは。


 あ、いや、


 ちょ




 アッー!

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