第21話 待たせたな!

 その日も、俺は異世界に転生していたが、そこは実に制約の厳しい世界だった。

チート能力も各種スキルも全て封印。

過去のものも全て、だ。

「くそっ!アンチパターンだな」


 これは、攻略に時間が掛かるな。

こうなっては仕方がない。

俺はじっくりと取り組む事にした。


 そして、ついにボンキュッボンなグラマラス魔王(正体はおそらくロリ)に対峙し―――。


「どうした勇者。ここまでか?」

「勝てない…ッ!スキルさえ…チート能力さえあればッ!」

俺が諦めかけた、その時。


熱血ツンツン頭「待たせたな!」

正統派巨乳ヒロイン「私たちが、いるのです!」

過去のライバル「ここで負けられちゃ、困るぜ」

クール系メガネ「ふぅ。心配になって来てみれば」


「お、お前たち…」


ツンデレ貧乳「べっ別に助けにきたわけじゃ、ないんだからっ!」

よぼジジイ師匠「フォフォフォ、まだまだじゃの」

おとぼけ無精ひげ「こりゃ、ピンチってやつか~い?」

無口イケメン「…フン」

おてんば魔法少女「これからなのだー☆」

元敵幹部「これではなんの為に私が裏切ったか…」

ヤンデレ前髪パッツン「逝く時は…私も一緒に…」

純真パワー系「ガウ、ガーッ!!」

気弱チビ「ぼ、僕も戦います!」

マッド系博士「ワシの発明品の、出番かの?」

天真爛漫アホ毛「応援にきたよー!」

分析メガネ「これで我々の勝率は…」

ビキニアーマー「いまこそ、我が剣を振るう時!」

モフモフマスコット「ピプ、ピポポーッ!」

ヘソ出しくノ一「…お前を殺すのは、私だからな」

アラフ系主婦「あらあら、うふふ」


「ってカンジでさぁ~、出るわ出るわで628人」

「へぇ~。魔王はどうなりました?」

「200人くらいの所でもう涙目だったわ」

「でしょうね」


 マジ、涙目だったから。

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