第11話 アタシのどこが

「ほぎゃあ、ほぎゃあ」

(…今回は、赤子スタートか?面倒だな。チート能力付与もなさそうだ…あぁ、意識が途切れる…)


 あれから、12年。

つるぺたのちっぱいボディに育ったところで、俺の前世記憶が覚醒した。


「TSかよッ!」

くそう、ハズレも良いところだ。

12歳という早さでで覚醒しかことは別に構わない。

各種チートで、どうせ無双だからだ。

内政系であれ、戦術系であれ、面倒そうなイベントも俺一人で片が付く。


 しかし、TSは…いや、これが初めてではない。

どこまで耐えられるかはわからないが、とにかく抗ってみるしかない。


 あれから、数年。

次々と登場する幼馴染や、学園での同級生。

誰もかれもみな、美少女だ。

最も恐れていた事態、ほのぼの日常系の百合世界だ。

来る日も来る日も、百合の花を咲かせてはキャッキャウフフのイチャイチャにゃんにゃんだ。


 マズい…これはマズい…。

早く、早くなんとかしなければ。

俺の恐怖をよそに、百合百合しい日々は続く。

「もう…俺は…ここまで、か…」


 そして、アタシは、帰還した。


「先輩、お菓子たべますー?」

「ウッソー、やっだー、たべるぅー♪」

「ぇ…」どんびき

「あ、いや、うん。ありがとう」

「あぁ、びっくりした。急にオネェにならないでくださいよ!」

「アタシのどこがオネェなのよっ!」

「…」

「……」

 ぁーん、もう、アタシのバカー☆てへ


 だからTSはヤバいって言ったのに。ミャハ♪

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