第2話 丁度良いのが来たな!
「月形さん、今日のご予定は?」
「ああ、ちょっと転生してくるよ」
俺はそう言いながら、予定表であるホワイトボードに『異世界転生』と記入した。
「時間が無ければ直帰にするから、後はよろしく~」
ビルを出た後、交差点で辺りを見回す。
「お、丁度良いのが来たな!」
俺は一台のトラックに目を付け、タイミングを伺う。
「いまだ!そらっ!」
そして俺は転生した。
なのじゃ口調の幼女型女神から程よいチートを授かった。
どうやら俺tueee系異世界転生だ。
これは幸先が良い。
生まれ変わった俺は存分に無双を振るい、所々で俺またやっちゃいました?とクールにキメる。
ひとつ不満があるとすれば、メインヒロイン一人だけのタイプだという事だが、まあいいだろう。
そして俺は、チート能力を持ったまま、無事日本へと帰還した。
「お早いお帰り~」
「思ったより早く済んだから戻ったよ」
会社に戻った俺は、今後の事を考え、エクセルで転生データベースの作成に着手した。
行った世界と得た能力とをまとめておけば、後からあれこれ思い出したりせずに済む。
さすができるサラリーマンは格が違った。
カチャカチャカチャ…ッターン!!
今日も、仕事明けの缶コーヒーが旨い。
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