謝罪転生 ~顧客対応のために転生を繰り返していたらあらゆる世界で最強に!?~
@KuroSi
第1話 誠に申し訳ございません!
俺の名は月形 賢一郎。29歳のサラリーマンだ。
俺は今日、異世界を救ってきた。いや、異世界を救って今日帰還を果たした、と言うべきか。
とにかく俺は異世界に転生をし、幼女女神から貰ったチート能力を駆使し各種神々の加護を得て歴戦の勇者たちの力を借り都合よく集まってきた美少女達とキャッキャウフフを堪能した上で、現実世界へ戻ったのだ。
現実世界では、たった半日しか経過していなかった。
そして俺は―――大切な商談をすっぽかした。
客先からの電話攻勢は凄まじかったらしいが、上司はおろおろするばかりで話が進まなかったようだ。
俺は慌てて客先に連絡し、翌日の約束を取り付けた。
明日は、謝罪から始まる事だろう。
気が、重い。
「この度は、誠に申し訳ございませんでした!」
「あれだけ、昨日でなければと言ったのに、まったく。その後のスケジュールがクドクドクド…」
複数社を交えての商談の最終段階だったため、互いの担当者が顔を合わせるだけの商談ではなかったのだ。
客先担当者の怒りもごもっともだ。
「そもそも、昨日は何を?会社に連絡をしても不在としか言われないし!」
「はぁ、実は異世界転生をしておりまして、その世界を救っておりました」
「ははぁ、異世界転生か…転生にも困ったもんだな!」
「仰る通りで…」
顔も上げず、謝罪に終始する。
「で、次は、どうするのかね」
「次、と申しますと」
「対応策は?と聞いているんだ!」
トラブル対応時の具体案を求められるのも、ごもっともだ。
しかし転生ばかりは…。
「想定されるあらゆる転生パターンを網羅…というのは現実的ではありませんし、タイミングも読めません」
「ふむ」
「属人的な対応とはなってしまいますが、まずは転生を繰り返してみたいと思います」
「なるほど」
こうして、俺は顧客対応の一環として、異世界転生を繰り返す事になるのだった…。
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