第40話~融合と覚醒~
黒い渦到着まで後2日。
美由紀とアリスがいない間にそれは起こっていた。
トレート達が拠点にしていた場所にライラが現れて、ほぼ全員が束縛され身動きの取れない状態にされていた。
ライラは丁度腰を下ろせる位の岩に座りながら
「そこのライオンでもゴリラでもいいけど、アリスってやつを探してるんだけど知らない?」
「アリスを探してどうする」
身動きの取れないトレートがそう答えると
ライラはタバコの様な物を取り出して吸いながら
「何でも地球と言う所のNo,1って言うじゃない、BHBでこの星ごとじゃー私の戦果にならないし、その前にそいつ倒しちゃえば私の戦歴に新しいページができるし、最近どこ行っても弱い奴ばかりでつまらないのよ」
「アリスは強いし、お前なんか」
蔦に絡まれながらも多少ジタバタできたギャラ言った。
「そんなに強いんだ・・でも私に勝てるかしら」
ケラケラ笑いながらライラは言った。
別行動をしていた美由紀とアリスにライラ襲撃の報が同時にもたらされた、拠点までの距離は同じ位だったがアリスの方が移動に関しては勝っていた。
ライラがタバコを吸い終わるのと同時にアリスはライラの前に現れた。
「やっと来たね地球No,1・・ってガキじゃないか、αシャーク様も・・」
ライラが言い終わる前に一点集中の隕石落としの呪文を発動していた、ライラのいた場所に次々と隕石が落ちて辺りが見えない位の煙が立ち込めた。
「服が汚れちゃったじゃないかい、着替え持って来て無いのに」
アリスの後ろの方からライラが服の埃を払いながら現れ。
「今度は私の番ね」
ライラは短く呪文を唱えると何度もアリスの足元から蔦が生えてきた、以前不覚を取ったアリスだが今回は全て瞬間移動で回避してみせた。
「凄い速さで移動できるのね、その知識早く吸いたいわぁ」
ライラはそう言うと体中から蔦を生やして変体し、無数の蔦で攻撃してきた。
元々接近戦の得意でないアリスは束縛しようとする攻撃に対処したがそれ以外の攻撃は半々でかわすのが精一杯だった。
「すばしっこいガキだね、おねーさん早くチューチューしたいんだけど」
攻撃の手を止めたライラが言ったのと同時に美由紀が到着した・・が、あっという間に蔦で捕獲されてしまった。
「ガキが終わったらお前も全身くまなく吸ってあげるから」
「美由紀の役立たず・・」
ボソッとアリスは言い、そこにいる全員が何かが切れる音を確かに聞いた。
「さっきから聞いてればガキって・・しかも3回・・アリスは美由紀より1つ上だし・・決して触手おばさんの肉奴隷にはならない」
アリスは額に#の文字を浮かべながらライラを指さして言い放った。
美由紀以外は「肉奴隷」ってなんだ?
美由紀は「肉奴隷」よりも「1つ上」の方がショックだった。
「・・触手おばさん・・おねーさんと言いなさい」
そう言われたライラは変体を解除し元の姿に戻って言った。
お互い気に障る事を言われてぶっ殺すモード全開だった。
ライラの蔦攻撃と魔法に対しアリスは召喚獣とダブルキャスト魔法で対抗した。
そこからの戦闘は凄まじく、そこにいる誰もが思った「切れたアリスは強い」と。
ライラの通常攻撃と魔法に対し魔法だけのアリスでは少々分が悪かった。
一瞬召喚獣の維持が切れかかった時、ライラの蔦がアリスの足を捉えた。
「ようやく捕まえた」
ライラが言ったのと同時にアリスは体から何かを蔦に吸われた気がした。
「なるほどね、隕石落としってそうやるんだ」
ライラはそう言うと隕石落としの呪文を唱えた。
アリスの頭上から隕石が次々と落ちてきて辺りが煙で覆われた。
土煙の中アリスは仰向けになって黒い何かに覆われていた、少しするとその黒い何かが持ち上がってアリスの顔の前に見知った顔が現れた。
「ギャラ・・そこで何をしている」
「やばそうだったんで、助けにきてやった、白馬の王子様って言うんだろ」
「回避できた、黒ゴリラの大王様」
「どうみてもヤバって顔してたぞ」
「してないし、少し汚れてるが可愛いでしょ」
「まぁーいい、そんな話はどうでもいいから、俺の話を聞け」
「改まって何だ、パパになるのが怖くでもなったか」
「な・・何で知ってる」
「美由紀が言ってたし、お前を見てればわかる」
ギャラは少し赤くなった顔を逸らしながら
「それより勝てそうか?」
「多分ライラは地面から魔力を得てる、無限の魔力でも無い限り無理」
「それなら決まった」
手足で落ちてきた隕石を支えてるギャラはそう言うと頭の羽飾りをアリスの顔の近くまで下げた。
「それを寄越してどうする?」
「ミコースもあの体じゃもう魔具は無理だし世代交代した、俺もそろそろ」
ギャラが言い終わる前にアリスはこっちを向けと促した、ギャラがアリスの方を向いた時アリスのパンチが顔面に入った。
「すっかりパパだなギャラ、つまらなくなったが・・がんばれよ」
そう言うとアリスはギャラの頭の羽飾りに触れた。
「やりすぎちゃったかな、潰れてても吸えるからいいっか」
だんだん晴れてくる土煙を見ながらライラは嬉しそうに言った。
「誰を吸うって?」
土煙が晴れると、そこに羽飾りの付いた髪飾りと相応のサイズの赤い鎧に包まれたアリスが立っていたが、ただ妙にデカイ腕の鎧が絵的にバランスを崩していたが。
ライラは倒したはずの獲物がまだ生きているのに驚愕していた。
そしてアリスはその瞬間を見逃さなかった。
アリスが片手を振り上げた瞬間そこから消え、ライラの目の前に現れ上げた拳を振り落とした。
ライラはとっさに蔦で防ごうとしたが、アリスの拳はそれをやぶりライラをミンチにしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます