第36話~同盟交渉~

交渉当日、美由紀は指定された場所に1人で行くとミコース率いるゴリラ軍団が待っていた。


ミコース達はまず話は聞こうといい美由紀に説明させた。


一通り説明が終わるとミコースが


「まずはトレート達だけで基地を落としてもらおう、できたらこちらと同等の戦力とて迎え入れてもらおう、それともう一つ・・・」


ミコースはそう言うと攻撃対象の基地の詳細を説明してきた。


詳細を聞いた美由紀は厳しい注文だと思ったが承諾し帰ろうとした時にミコースが。


「それと、あんたがどれだけ強いか見てみたいね」


美由紀は「やっぱり来た」そう思った。


「うちのNo2と力比べをしてもらうから」


外の広場に出るとそこにはギャラと体格同等のギルと言うゴリラが待っていた。


美由紀を見たギルが笑いながら


「ミコース、こんなちっちゃいのとやるのか?」


ちっちゃいと言われた美由紀はアリスの気持ちが分かった様な気がした。


「ギル見た目より凄いらしいから気をつけな」


ミコースがそう言うといきなり変身したギルと力比べが始まった。


力はギャラに劣るがスピードが速かった、美由紀はギルの物理攻撃を防御魔法で受け流しているとそれを見ていたミコースが


「ギル手加減はいらないよ、弱いやつとは同盟なんてしないから」


ギルは頷くと美由紀から離れ石礫の攻撃魔法を使ってきた。


え?魔法?と思った瞬間美由紀は回避が遅れ、まともに攻撃を受けてしまい転倒してしまった。


周りから歓声が上がりギルは勝利とばかりに片手を上げ吼えた。


「いたたた、まさか攻撃魔法が使えるなんて聞いてないよ」


攻撃を受けた場所を摩りながら美由紀は立ち上がった。


「No2でこれだけ強ければミコースはもっと強いんだろうな、こっちも本気出さないとやばそうだし失礼だね」


美由紀はそう言うと覚醒した。


地球で覚醒した時と同じ漆黒の鎧に機械的な羽が2枚と蠍の尻尾の様な物が2本生えていて、右手には鎧と同じ色の剣と左手の腕には備え付けの盾があった。


覚醒した姿を見たミコース達から歓声が上がったが美由紀には聞こえていなかった。


美由紀はギルは魔法を盾と蠍の尻尾でかわし距離を詰めていった、ギルは遠距離攻撃をやめて接近戦に切り替えてきた、ギルの猛攻を凌ぎながら反撃をしたが決定打にはならなかった。


少しづつ蓄積されていくダメージで近接から遠距離に切り替える為、美由紀がギルから離れた時にそれは起こった、ギルの胸の鎧ががばっと開きそこからビームの様な物が集束して発射された。


美由紀はとっさに剣で受けたが、その剣が折れて直撃を受けて吹き飛ばされてしまった。


2回目のダウンを奪ったギルは再度片手を上げて勝利宣言の雄たけびを上げ、周りからも大歓声が上がった。


覚醒までしてダウンさせられた美由紀は倒れたまま見える空を見ながら。


「何だろう?この気持ち・・わくわくしてきた・・嫌でも同盟組んでもらいたくなっちゃたな」


それが聞こえたミコースが「ギル、とどめだよ」と言い、ギルは2発目のビームを美由紀に向けて発射しビームが目標に当たり土煙が上がった。


湧き上がるミコース達の耳に美由紀の声が聞こえた。


「凄いよミコース、これだけの戦力あればこの星も取り戻せるよ」


ミコース達が声のする方を見ると機械羽を広げて宙に浮く美由紀がいた。


ギルが雄たけび上げ美由紀に向けて3発目のビームを発射し当たったと思った瞬間姿が消えた、そしてギルの後ろから美由紀の嬉しそうな声が聞こえた。


「必ずやれるよ、だから協力してよ、約束通りギャラの事は・・」


そう言ったところでギルから爆風が起き美由紀の声がかき消される。


「地球では10カウントKOってのがあるんだけどカウントする?」


爆風が収まり動かなくなったギルの前に現れた美由紀がそう言うとミコースが笑いながら。


「順序は変わらないし約束は守ってもらうよ、それか今から私とやってねじ伏せて従わせるかい?私はギルよりはるかに強いよ」


美由紀はそれを聞くと覚醒を解き引きつった笑顔で。


「ミコースの力は戦場で見れればいいよ、ギルよりはるかに強いなら、今やりたくない相手候補No1だからね」


「そうかい、じゃー約束通りに、それとそこに隠れてるの出てきな」


ミコースが言うと岩の陰からアリスと怒り顔のトレートが現れトレートが。


「やりすぎだミコース、この場で俺が」


そこまで言ったところで美由紀がトレートを制してミコース達に聞こえる様に。


「トレート、必ずミコースは約束を守るから大丈夫心配しなくていいよ」


そしてミコース達は何も言わずに引き上げて行った。



アジトに帰ってきた美由紀はミコースの出した条件を皆に話ししていた。


「基地を落とせなかったら俺をミコースの婿によこせ?そんな話あるか」


顔を真っ赤にしながら怒った口調で言ったのはギャラだった。


「婿になりたくなければ、落とせばいいんだよ」


笑いながら美由紀は言い、皆が同意し基地襲撃作戦の準備を始めた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る