第2話宮ノかがりは頭がおかしい

告白された.....!初対面の女に!!怖!何あの人怖!

もしかしてアレか?陰キャ童貞に告白しようゲーム的なアレか?遊ばれてるのか俺は!入学式当日に?だとしたらあの女相当だぞ...。

宮ノかがりという初対面の同じクラスの女に入学早々告白された俺は、恐怖や周りの視線に耐えられず早退してしまった。

.....まあ多分書類その他もろもろは母さんが貰ってくれるだろう....。すまん、母さん。

地元への電車に乗ろうとながらそんな事を考えていたときだった。

「...影山くん!」

.............え?いやまさか、そんなはずは、でもこの甲高い声は

「っ...あっその、ごめんね!さっきは驚かせて!」

息を切らしてセミロングの綺麗なピンク色の髪を乱れさせながら、宮ノかがりは言った。

「えっ....つーかなんでこんな所にいるんすか..?」

「えーと、つけてきちゃった☆」

いやいやつけてきちゃったじゃねーよ!それストーカーだからな?あなたがもう少し可愛くなかったら通報してたからな?

「まあ...とりあえず何の用?こえーんだけど。」

「そ、そうだよね、ごめんね!でもねさっきのその...告白は本当なんだよ?!」

俺は彼女の話をそこまで真面目に聞いていなかった。むしろ、こいつまで抜け出してきてうちのクラスどうなってんのかなくらいに思っていた。

「朝保健室まで運んでくれたのは君だよね?まずはそれをありがとう!感謝します!」

続けて彼女はこう言った。

「それと、やっぱり影山くんの事がとてもどタイプなので付き合ってくれませんか?」

ああ、やっぱこの女は頭がおかしいんじゃないのかー...。まあ話は聞いてみないと分からない。とりあえず俺はこの話を聞いてみることにした。

「お前さ、わかってる?俺は誰が見ても女が好むような見た目はしてない。そんな奴一目惚れしたとか言われても信じらんねえ。」

自分で言うのは少々胸が痛むが、しょうがない。

「そ、そんなことないよ!めっちゃかっこいいよ影山くん!」

自分から言っておいて赤面してる彼女につられ、俺も柄にもなく顔を赤くしてしまった。不覚。

まあ、女子にかっこいいといわれて嬉しくない男子はいないのだ。

「へ、へえ...んで?」

だがあくまで俺は女子と関わる気はない、冷たく接しよう。

「まずね、そのメガネ!!!もーすっごいやばい!だってそれだけで顔隠してる感じあって暗いしやばい!前髪とかちょー長いし目見えてるのかなって思うけどそこがまた変人ぽくて好き!あ、そうそうあのね、私変人が大好きでー!」

ペラペラと饒舌に語りだした彼女は、とても輝いていた。

いや、こいつ...もしかしなくてもやばいやつなのでは?

「あのさ、俺言っとくけど誰とも関わる気ないしそういうの迷惑だし変人が好き?とかも謎だから。」

「なんで誰とも関わりたくないの?」

「そりゃ、誰とも関わらない方が平和だからだろ。何も起きねえし。まあ、宮ノさんみたいな人には分からないだろうけど。」

なかなかに皮肉を交えて言えたのではないだろうか。正直なかなか顔は可愛い方に入るのだろうが、信用ならん。

そして彼女は笑いながら言った。

「〜〜!!超やば!なにそれなにそれ!誰ともか関わらないとかないよ!だってだって、それなのに朝私の事助けてくれたんでしょ?変だよ!」

「そ、それは不可抗力というか困ってると思ったから」

「困ってると思っても関わりたくないなら無視すればよかったじゃん?なのに来てくれたってことは優しいってことでしょ?やばー!超すき!あ、てか私ほんとハートの熱い変人が大好物でー」

優しいなんていつぶりに言われた言葉だろう。こんな初対面のやばい女に言われたのに、少し嬉しかった。

「宮ノさんは、どうして変人が好きなの?」

「え?だってイケメンと変人が目の前にいたら絶対飽きないのは変人じゃん?楽しいじゃん!わかる?!」

なるほどわからん。

続けて、俺は言った。

「告白してくれてどうもありがとう。でも俺は誰とも関わりたくないのでごめんなさい。」

「......ちゃんと振ってくれるとこ優しい..!すき!」

こいつの頭はお花畑なのか?いやお花畑よりタチが悪い。




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