一一八.遊星爆弾(続き)

 ここで、ガミラス人の体質の話と繋がりが出来ました。

 遊星爆弾で高濃度放射能と炭酸ガス大量発生、温室効果暴走による高温のトリプルパンチ(そも爆発自体が大ダメージなのでクアトロパンチ?)で、通常の惑星の生命は……少なくとも多細胞生物は10年程度で全滅するでしょう。

 しかしある程度の時間が経過すると、幾種類かの半減期の短い放射性物質は崩壊が進み、放射線レベルが下がってくるはず。

 通常の人類が住めなくとも、ガミラス人なら居住可能な放射線レベルになれば、ガミラス星の藍藻などを用いたテラ……いや、ガミラスフォーミングで、炭酸ガスを酸素に還元、気温も下がって海も復活、ガミラス人(とガミラス星の生物)のみ移住が可能な惑星が出来る訳です。

 こうやって、宇宙の地球型惑星を片っ端からガミラス人以外に居住できないようにしていくとしたら、確かにこれは悪魔的な帝国と言えましょう。


 そして、 そういった攻撃を受けた惑星に対し、スターシアも使者を送り続けてきた事でありましょう(2199ではまさにそう言っていましたね)。

 コスモクリーナーの設計図を送らなかったのは、そこまでやればガミラスへの敵対行為とみなされるからでしょうか。デスラーも波動エンジンの提供までなら、ある種のゲーム感覚で見逃したかもしれません。


 それでも、使者の多くが長い旅路の中で遭難した事でしょう。あるいは派遣された先で疑われ、拘留されたり殺害されたこともあったはず。それでもスターシアは残り少ないイスカンダル人の中から使者を送り続けた。そして最後の使者候補は、妹サーシアであった……と考えると、彼女を送り出すときのスターシアの心情、そしてサーシアの心情たるや切ないものがあります。

 またそこまでして他の星を救わんとしたスターシア、慈愛というだけでは済まされない、鬼気迫るものを感じます。

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