一〇九.ヤマトのツジツマ・波動砲(2)

 波動砲とデスラー砲。ガミラスと地球。

 技術的な共通点は直接はありませんが、地球の技術はイスカンダルに由来するものが大きく、またイスカンダルがかつては宇宙に勢力を伸ばしていた事が示唆されています。

 2199世界程ではないにしろ、ガミラスがイスカンダルの技術に影響されている可能性は高いでしょう(というか、その線で膨らませたのが2199世界)。

 ガミラスとイスカンダルの共通点にはもう一つ、ガミラシウムとイスカンダリウムというエネルギー物質が核に含まれるという点があります。それが両者の宇宙雄飛の原動力となったとも。

 その後、銀河においてはこの物資はほぼ枯渇し、マゼラン銀河へ移民した両種族以後、マゼラン銀河への航海はほとんど無くなっていたのでしょう。

 それに対して豊富なガミラシウムがガミラスの銀河征服活動を支えた、というのは有り得ることです。


 イスカンダルに波動砲があったという描写はありませんが(2199では以下略)、その技術を受けた地球が波動砲を発明した事には意味があるかも知れません。

 ここで補助線として、マゼラン銀河まで一年で往復できた地球にも、同種の元素が存在したのではないか、と考えてみます。ガミラスとイスカンダルに移民が行われた後、銀河の列強がマゼラン銀河まで進出した気配がない訳ですから、これはかなり異例の能力でしょう。

 この元素によって引き出された波動エンジンの高い出力が、初めて波動砲を可能にしたのではないでしょうか。


 ただそうなるとガミラシウムを採掘していた暗黒星団帝国も同じくらい出力の高い波動エンジンを使用していたと考えられる(40万光年彼方から侵攻してきたわけですから)ので、説明が苦しくなりますが、


1.グロテーズの無限ベータ砲は長射程に特化した波動砲の一種である

  補:グロテーズ艦隊以外は外征型艦隊であり、その航続距離を支える

   ガミラシウムを浪費する波動砲は装備されない。

2.(波動エネルギーに対する過敏性から)彼らの動力源はガミラシウムを

  消費するが波動エンジンではない。


 という二通りの考え方がありえます。

 うーん、『新たなる』の描写と矛盾する波動エネルギー過敏性をなかった事にするなら1、生かすなら2、ですかね。

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