八十七.『さらば』とは何か再び(期待と裏切り)
そう考えると、スタッフはファンが求めている物をかなりの部分ちゃんと把握していて、それに答えたと言えるでしょう。
復活した地球、新たな巨大な敵、派手な艦隊戦、デスラーの復活と和解。
一年という長丁場だった第一作に対して、接近する敵の本拠地との競争というタイムアタック的な要素も盛り込み、帰途が空っぽになった反省も生かされましたw
しかしその一方で、ファンが期待している物を、それもかなり大事なものを裏切る事も選びました。無論、意図的に。
その筆頭は、何と言っても古代達キャラクターの幸せな未来でしょう。そして彼らが暮らす、青さを取り戻した地球の社会の在りよう。
デスラーとはある種の和解に達したものの、彼の死と共にガミラスは完全に滅亡。
ガトランティスは戦うべき強大な『システム』の擬人化であって人間味は薄く、第一作のガミラス本星で叫んだ『敵とも愛し合う』事はガトランティスとの間では試みられず、容赦なくビル群にショックカノンが撃ち込まれます。
見る者の期待を裏切る事で起きる衝撃とともに伝えるメッセージ。それは『大事な人の為に自分を犠牲にすることの尊さ』。
それが届いたのかどうかは人それぞれ。涙を流す事を感動した人も、ショックを受けてヤマトシリーズから離れた人もいました。しかし映画は大ヒットしました。
この作り方は、一度だけ許されるものです。「ヤマトはもう終わりにしたい」と言った西崎(先代)Pの言葉も、その時点では掛け値なしだったでしょう。
(もうちょっとだけ続くw)
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